十七話 ページ18
仁王「___は?」
記憶がない。彼女はたしかにそう言った
A「2年前、事故にあったせい?ってお母さんは言ってた」
2年前……
やっぱり、A…なのか
A「あの、もし私のきおk__」
仁王「良かったっ……良かった良かった良かった…」
俺は、何かを話そうとしたAの言葉を遮り抱き着いた
Aは生きていた
あの時死んでなかった
仁王「…っ」
これが、夢なら覚めないで欲しい
A「もしかして、仁王雅治、ですか?」
俺の名を口にした
バッとAから身体を話すと、「ああ」と返事を返す
A「お母さんから話は聞いた。聞いてます。私の大切な人だったんだよね?です」
仁王「ま、まぁ。そ、そうじゃな」
改めて言うとなんか照れくさい
A「お母さん言ってた。"会わせてあげたい"って」
仁王「そう、か…」
良かった……俺のことを恨んではおらんかったんじゃな
仁王「だったら、会いに来れば良かったんじゃ」
A「私、言葉も歩き方もなにもかも忘れてしまったらしくて、やっと誰かに会える状態になったらしい。です」
それを聞いた瞬間、また涙が出そうになった
言葉を練習するAや歩き方を練習するAを想像すると、どんだけ苦労してきたのかが分かったから
あぁそうか、だから日本語も片言で
仁王「そうか…。頑張ったの」
A「えへへ。褒められた」
以前のAだったら考えれないような、ほんわかな笑顔を見せる
元気キャラからほんわか癒しキャラに……、なんか慣れん
A「におーといるとなんだか懐かしい気持ちになれる」
仁王「そうか。って、におー?」
A「におー駄目ですか?」
仁王「い、いや構わんよ。プリッ」
A「ふふ、じゃあそう呼ぶ。ます」
仁王「敬語使わんでもよかよ。前も使ってなかったんじゃし」
A「そう、じゃあ使わない」
そうAが言った瞬間、終礼のチャイムが鳴った
……これは、職員室行きじゃの
その後、Aに用事の有無を聞き、テニス部の部室でホームルームが終わるまで待ってもらうことになった
教師「これで何度目だ!!」
教師には、言わずもがなげんこつを食らった
31人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:けさし☆ | 作成日時:2021年4月2日 16時