十五話 ページ16
仁王｢む…｣
怪しい２人を見た
それは、俺が仮病を装って屋上で授業をサボっているときだった
仁王｢……｣
最初は同じようにサボりだと思ったのじゃが、なにやら胸騒ぎがする
俺は上から、その2人の行動を見ていた
その男共は、キョロキョロと何かを探しながらテニスコート付近へ移動していく
そして、片方が走り出した。なにか見つけたようじゃ
アイツらは何をしとるんじゃ…
その疑問はすぐに解決した
あの男共は、あろうとか1人の女を連れてきた。しかも私服
仁王｢……｣
あからさまに、女の方は嫌がっている
仁王｢……?｣
なにか……違和感を感じる
何かが自分の中で引っかかり、食い入るようにその連れされる女を見ていた
すると、一瞬だけ顔が見えた
心臓がバクバクと鳴っている
ありえない
仁王｢Aっ!?｣
あまりにも、似すぎている
仁王｢アイツらどこに……｣
Aだと思ってしまった瞬間。あの男共に怒りが湧いてきた
仁王｢くそ、ここからじゃよお見えん｣
俺は、舌打ちをすると屋上から飛び出し、階段を駆け下りて行った
嫌な予感しかしない
間に合ってくれ
テニスコートに来た俺は、辺りを見渡す
くそ、何処に…
ここら辺で、隠れれる場所じゃと…
仁王｢部室か…｣
しっかし、部室と言ってもかなり沢山……
いや全部片っ端から回ろうかの
俺はテニス部の部室をはじめ、バレー部、バスケ部と回っていった。そしてサッカー部の部室に差し掛かった時だ
なにか話し声が聞こえ、ドアノブ触る手が止まる
よく聞こえんが、女の声と男の声なのはわかる
どーやら、ビンゴのようじゃの
ゆっくりとドアノブを回そうとするも、開かない。
仁王｢ﾁｯ｣
鍵がかかっちょる
ま、それならドアを蹴破るまで
俺は、足に全身全霊の力を込めドアを蹴飛ばした
大きな音を立てて、ドアが開く
外の光が差し込み、中が見えた
そこには、Aに似た女を今まさに襲うとする男２人がいた
女の方は、泣いていた
怒りがふつふつと湧いてくる
仁王｢…その汚い手を離しんしゃい｣
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作者名：けさし☆ | 作成日時：2021年4月2日 16時
