裏柱様ノ話 ページ3
縁側に出て、獪岳と一緒に腰を下ろす。さて、私が話したいことはたった一つだ。
「で?先生に手紙は送ったの?」
「…」
獪岳は黙り込み、私が淹れたお茶を一口飲む。そして言いにくそうにもごもごと口を動かし渋々口を開いた。
「俺が勘違いしたことに対する謝罪と…俺の才能を認めているという言葉が書かれてた」
「ほら〜だから言ったでしょ!認めてるよ!先生だもん!!」
「うるせぇ…」
ふいっとそっぽを向かれてしまったが、確かに安堵している気配を感じる。ここの師弟組はね、ゆっくりお話しする時間が必要だと思う。圧倒的言葉不足だよ。
その結果に満足しながら、次の話題に移る。
「それと、獪岳は善逸の才能を真っ向から否定してたでしょ。それで見下してた。まぁ、最近は改善されてるっぽいけど?」
「…」
「獪岳には確かに才能がある。でもね、善逸にも才能はあるの。人の才能を認めるのも大事なことだよ。獪岳は私の才能を認めてくれたでしょ?それと一緒だよ」
まぁ、私が柱だから認めやすかったのかもだけど。善逸は弟弟子だもんね、認めたくないよね。桑島さんも柱だったからな〜尊敬する対象だったんだろうな〜
足をパタパタと振りながら、獪岳の言葉を待つ。
「…ふん」
一度鼻で笑って、もう一度お茶に口を付ける獪岳。でも、負の気配は感じないから…多分、ちょっとは改心してくれてると思う。これで善逸に対する感情が変わってくれるといいんだけど…
っと、あと一つ。これつい先日思い出したんだけどさ。
「獪岳、一つ質問です」
「なんだよ」
「獪岳が向かった先に自分の実力では敵わない鬼がいます。その鬼に襲われている隊士がいます。二人で力を合わせればギリギリ敵うくらいの実力です。あなたは危険を冒してその隊士を助けますか?それとも、確実に生き残るために逃げますか?」
「…?死んだら元の子もねぇだろ。逃げる」
「わぁ即答」
何かで見たんだよね、獪岳は生き汚いって。何が何でも、生き残る。でもそれが悪い事かって言われたら悪くないよね。確かに死んだら元も子もない。
…うん、そうだな。
「それでいいと思う。でも、獪岳にとって大事なものが出来たらその考えも変わるかもしれないね」
「…大事なもの?」
あ、久しぶりに見たその怪訝そうな顔。私はその言葉に笑顔で頷いた。
人ニヨル→←いきなりですがイラスト頂きました!!もう感謝しかないです!!!
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なぎ(プロフ) - 更新楽しみに待ってます…‼ (2022年8月14日 15時) (レス) @page42 id: c7ded9271f (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 更新待ってます…応援しています!頑張ってください!! (2022年5月25日 23時) (レス) @page42 id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
しらこのり - 更新ずっと待ってます 再開して欲しい… (2022年1月15日 11時) (レス) id: 573692b408 (このIDを非表示/違反報告)
人類のようなナニカ - コメント失礼します。この作品本当に大好きで、読み進めるのが楽しくて楽しくて仕方がないです!応援しています!!!!更新頑張って下さい! (2022年1月7日 19時) (レス) @page42 id: 60efa73c00 (このIDを非表示/違反報告)
栞乃(プロフ) - 投稿楽しみにしてます! (2021年12月31日 18時) (レス) id: 8c5f3cdf03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏 | 作成日時:2019年8月20日 14時