皆に愛されし少女【鬼滅の刃】

救済成功…？ ページ6

蝶屋敷に、たくさんの人が運ばれてきた。

皆重傷を負っていながらも一命を取り留めたらしく、隠の人達が蝶屋敷に連れてきたらしい。運ばれてきた人みんな…知ってる。炭治郎の家族だ。


「よ…かった…」


部屋の前でへなへなと座り込んでしまった。よかった、皆生きてるんだ…

運ばれてきた人の中に禰豆子がいないってことは…きっと鬼になったのだろう。これで、問題なく原作が始まるはず。


「はあぁ…竈門家救済難易度高すぎるよ…」


できることが少ない、とった行動すべてが裏目に出てしまう可能性がある。だから私には藤の花の御守りを渡すしかできなかった。でも、それで皆を救えたのなら良かった。

なんとか立ち上がり蝶屋敷の外に出ると、そこには義勇がいた。おや、お早いお帰りで。


「…義勇、今日運ばれてきた人たち…」

「…鬼の被害を受けた家族だ」


…うーん、言いたいことはわかる。分かるんだけどね？


「もうちょい単語を増やそう」

「…」

「義勇が仕事のために向ったら、鬼に襲われた家族がいた。…そういうこと？」

「あぁ」


うん、ここまでは原作通り。もう一つ、気になることがある。


「あのさ、今日運ばれてきた人たち以外に二人いなかった？男の子と女の子」

「…」


義勇の眉がぴくりと動いた。いたんだね。

義勇が話してくれるのをただ黙って待っていると、義勇が渋々と言った形で口を開いた。


「…あの家族が襲われた家の前で、子供が…鬼になった妹とまだ赤ん坊程の子供を腕に抱えながら呆然としていた」

「お、義勇頑張った。えらい」


ちゃんと文章になってる。そしてちゃんと伝わる。

…なるほど、きっと家族全員息があったからどうすればいいか悩んでいたんだろう。悩んでいるうちに義勇が来た…と。鱗滝さんがみたら「判断が遅い！」って怒るかな…とか思ってみる。


「それで、鬼になった妹はどうしたの？」

「…襲われた家族は隠に任せて、鬼を斬ることにした」

「うーんなるほど」


これも原作通りだね。あれ？もしかして応急処置してる隠の近くであのセリフ言ったの？13歳の子供に土下座されてるところ見られたの？

…隠の中で義勇の印象悪くなってないかな…？平気…？そこが心配だわ。


「それで？」

「…前にも、こいつは人を食わないと…そう言って喰われた奴がいた。信じてなかった。…だが」


義勇が、私の方を見る。…うん、義勇はあの二人を信じたんだ。


「あいつらは、何かが違うのかもしれない」

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