行動力ノアル兄妹 ページ45
「!!」
炭治郎が子供に気付きそちらを見ると、二人がビクッと体を震わせた。善逸くんも気付きなぜか震えながら呟いた。
「子供だ…」
「どうしたんだろう」
炭治郎が二人に近付き、「こんな所で何してるんだ?」と声をかけると二人とも後ずさった。私も炭治郎に続き二人に近寄る。二人ともとても怯えている様子だ。
炭治郎は二人の前に片膝をつき、笑顔を浮かべながら片手を前に出した。その掌には善逸の鎹雀であるチュン太郎が乗っている。
「じゃじゃーん!手乗り雀だ!!」
チュン太郎が炭治郎の掌でチュンチュン鳴きながらぴょこぴょこと飛んでいる。あら普通に可愛い。
「…可愛いだろう?」
炭治郎の行動に緊張の糸が切れたのか、へたへたと座り込む二人。炭治郎がその二人に近付きながら問いかけた。
「何かあったのか?そこは二人の家?」
「ちがう…ちがう…!ばっ…化け物の…家だ…」
正一君の言う化け物は、鬼のことだ。鬼なんて、世間一般的に知られていないものだから。
…本当は知らないまま一生を終えるのが一番幸せなんだろうけど、こうして理不尽に巻き込まれる人だっているんだよな…
正一君は震えながら、ここまで来た経緯を教えてくれた。強い子だな、こんなに幼いのだから怯えて逃げてしまってもおかしくないのに…
「兄ちゃんが連れてかれた。夜道を歩いていたら、俺たちには目もくれないで兄ちゃんだけ…」
「あの家に入ったんだな」
「うん…うん…」
「二人で後をつけたのか?えらいぞ、頑張ったな」
うおおぉ自然と長男力発揮する炭治郎ぅぅぅ!!!
そりゃ自分のとった行動を優しく微笑みかけられながら褒められたらほっとしちゃうよね…!!でも本当にすごいよ正一君!!
正一君はボロボロと涙を流しながら話を続けた。
「……うぅ…兄ちゃんの血の痕を辿ったんだ。怪我したから…!」
その一言で、この場に緊張が走る。血の匂いをさせながらこの屋敷に閉じ込められているということは、鬼に狙われやすいということだ。生存率も下がる。
…清君も凄いよね、自分を誰が喰うかって争われてる最中に鼓鬼から落ちた鼓を咄嗟に拾って叩くって。恐怖で体が動かないだろうその状態で咄嗟で動けるんだもん。凄いわこの兄妹…
「大丈夫だ、俺たちが悪い奴を倒して兄ちゃんを助ける」
「私たち強いから!安心してね!」
「ほんと?ほんとに…?」
「うん、きっと…」
一区切りついた時に、善逸くんが炭治郎を呼んだ。
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エリカ - はぅー!!!!!!!時間的に間に合わないけど、杏寿郎さんといちゃラブしてほちぃ!!!!!!!!!!!!!! (2020年4月23日 17時) (レス) id: f0480ad40d (このIDを非表示/違反報告)
りん - うーん…結婚できるの姫島さんかむいむいかな〜? (2020年4月22日 22時) (レス) id: 4a20aa403e (このIDを非表示/違反報告)
愛心 - 富岡さんの富はこの冨ですよ (2020年4月18日 15時) (レス) id: b59d3295d5 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 「弦弥」じゃなくて「玄弥」ですね(番外編の求婚会議) (2020年1月4日 22時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
ネームネーム - 1の方でもそうだったんですが、冨岡さんが富岡さんになってます。(上のちょんっていうやつがあるかないか) (2019年12月20日 16時) (レス) id: a0201b5f31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:杏 | 作成日時:2019年7月15日 1時