共ニ行ク ページ32
朱紗丸の残骸が太陽の光に焼かれて塵となる。炭治郎とそれを見届けてから屋敷の中に入った。
「…珠世さん」
「こちらです。地下へ」
扉の向こうから声が聞こえる。炭治郎に肩を貸したまま階段を下りると、禰豆子ちゃんが駆け寄ってきた。そして私事ぎゅっと抱きしめる。私も禰豆子ちゃんの背に手を回し抱き締め返した。
そしてすぐに踵を返し、珠世さんに抱き着いた。手を伸ばして愈史郎さんの頭を撫でる。
「…先程から禰豆子さんがこのような状態なのですが…大丈夫でしょうか」
珠世さんが炭治郎に問いかける。炭治郎はその姿を見てふと笑みを浮かべる。
「大丈夫です。多分二人のことを、家族の誰かだと思っているんです」
「？しかし、禰豆子さんのかかっている暗示は人間が家族に見えるものでは？私たちは鬼ですが…」
「でも禰豆子は人間だと判断してます。だから守ろうとした」
珠世さんの目が見開かれる。
「俺…禰豆子に暗示かかってるの嫌だったけど、本人の意思がちゃんとあるみたいで良かっ…」
炭治郎の言葉が途中で切れたのは、珠世さんの目から涙が零れたからだろう。ほろほろと流れ続ける珠世さんの涙を見て、炭治郎が慌てて声を上げる。
「すみません！！禰豆子、禰豆子！離れるんだ失礼だから！！」
慌てる炭治郎を横目に、珠世さんが禰豆子ちゃんの肩に顔を埋める。ぎゅっと抱きしめ返し、珠世さんが小さな声で呟いた。
「ありがとう、禰豆子さん。ありがとう…」
愈史郎さんがその姿を見て眉尻を下げる。口を挟まず、ただその姿を見ていた。
暫くして二人が離れる。禰豆子ちゃんが炭治郎の方へと駆け寄り、隣に立った。
「…私たちはこの土地を去ります。鬼舞辻に近付きすぎました。早く身を隠さなければ危険な状態です。それに、うまく隠しているつもりでも医者として人と関わりを持てば鬼だと気付かれることがある。特に子供や年配の方は鋭いです。…炭治郎さん」
「はい！」
「禰豆子さんは私たちがお預かりしましょうか？」
炭治郎が「え？」と呟き驚きで目を見開く。禰豆子ちゃんに降りかかる危険が少なくなる。それは、炭治郎にとって悪くない提案だ。
黙って考え込んでいる炭治郎の手を、禰豆子ちゃんが掴んだ。そして、まっすぐと炭治郎を見つめる。炭治郎はそんな禰豆子ちゃんを見て、その手を握り返した。
「…ありがとうございます。でも、俺たちは一緒に行きます。離れ離れにはなりません。もう、二度と」
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エリカ - はぅー!!!!!!!時間的に間に合わないけど、杏寿郎さんといちゃラブしてほちぃ!!!!!!!!!!!!!! (2020年4月23日 17時) (
レス) id: f0480ad40d (このIDを非表示/違反報告)
りん - うーん…結婚できるの姫島さんかむいむいかな〜？ (2020年4月22日 22時) (レス) id: 4a20aa403e (このIDを非表示/違反報告)
愛心 - 富岡さんの富はこの冨ですよ (2020年4月18日 15時) (レス) id: b59d3295d5 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 「弦弥」じゃなくて「玄弥」ですね(番外編の求婚会議) (2020年1月4日 22時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
ネームネーム - 1の方でもそうだったんですが、冨岡さんが富岡さんになってます。（上のちょんっていうやつがあるかないか） (2019年12月20日 16時) (レス) id: a0201b5f31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏
| 作成日時：2019年7月15日 1時
