稀血 ページ6
「…ってことなんだ！鱗滝さんは凄い人なんだぞ！！」
「へぇ…私も会ってみたいなぁ。あ、そういえば…私も、これ」
髪紐の石を二人に見せる。石は月の光に照らされてキラキラと輝いていた。その輝きに二人も「おぉ」と軽く声を上げる。
「綺麗だな」
「師匠が、今日のために作ってくれてたんだ。生きて帰って来いって」
石をギュっと握り、師匠を思い出す。師匠を悲しませたくなんてないし、この先死んでしまうかもしれない人を救いたい。そのために、私は絶対生きてここに戻ってくる。
二人と雑談していると、女性の声がこの場に響いた。そちらを見ると…
「…！」
あまねさんだ！原作で見るより若いな…当たり前か。それにしてもやっぱり綺麗で可愛い…
ほぅ…と見惚れていると、あまねさんが最終選別についての説明を始めた。まぁつまりは、七日間生き残ればいいって事。
私は手を握り締め、錆兎と義勇の方を見る。二人も私の方を見ていた。
「頑張って、七日間生き残ろうね」
「あぁ」
「Aも気を付けろよ。女だからと狙う奴は多いぞ」
錆兎が真剣な表情で言う。確かに、男より女の方が弱そうに見えるよね。否定できないからなんか悲しい。あ、自己紹介は済んでますよ。
『では、行ってらっしゃいませ』という言葉を聞いて、私達は鬼がいる山へと歩みを進めた。すぐ二人と別れ単独行動に移る。
「それにしても…食べ物とかどうしようかな…。川とかあるなら魚捕れるか。あとは…」
ぶつぶつと呟きながら歩いていると、頭上から何かが迫ってくるのを感じた。ぞわぞわと鳥肌が立ち慌ててその場から飛び退く。その直後、さっきまでいた場所に何かが落ちてきた。
土煙が収まるまで、目を凝らして睨む。刀に手を掛け腰を低くし呼吸を整えた。
「…女…女だ…」
うん、鬼以外ありえないよね。
シュウゥッと口から呼吸の音が鳴り始め、その音に集中していると鬼の口から信じられない言葉が聞こえた。いや、信じられないというか…信じたくない。
「稀血…稀血の女…俺は運がいい！」
「ッはぁ…！？」
まれち…って、あれか？稀血？鬼に狙われるっていう…あの稀血？
迫ってくる鬼を壱ノ型で斬り難なく倒せたが、それより衝撃が凄い。私稀血だったの？ちょっと信じたくないんだけど。師匠は知らなかったのかな…。それにしても、修行中によく鬼に出くわさなかったな…
「…まぁ、稀血なのは仕方ないか」
今更どうしようもないし。今はとにかく食料調達だ。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月19日 22時) (
レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 月はあるんだけど好き…こっちの方が神秘的だわ (12月1日 16時) (レス) id: 8d474f6144 (このIDを非表示/違反報告)
凪疾 - 原作で月の呼吸というのはあります。でも全く別のものとして読んでますがいい話ですね！主人公と師匠の関係が最高です (2023年4月10日 23時) (レス) id: 105e0f51c7 (このIDを非表示/違反報告)
カナヲ(眠いちゃん) - 可愛い…やっとコメントする勇気でた…可愛い…これは友情にも恋愛にもとれるから好き…可愛い (2023年1月7日 3時) (レス) @page28 id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - あの、投稿されてからずっと後に読んだ者ですが、この物語は恋愛ルートですか？友情ルートですか？アンケート結果が分かりません。教えてください。 (2021年2月4日 20時) (レス) id: ee41c4b3a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏
| 作成日時：2019年7月4日 2時
