救済成功 ページ33
月の呼吸 伍ノ型
卯ノ花月夜
私の周りがほのかな光に包まれる。太陽の光の元にいるかのように、温かい。安心する光だ。
童磨は何が起こっているのかよくわかってないみたいだったが、光が童磨のともに届くとジュッと焼けるような音がした。童磨が慌てて飛び退く。
「…厄介な技を覚えてるね、Aちゃん」
焼けたであろう手は既に回復しているが、近づけないだろう。この光が届く範囲に鬼は近づけない。太陽の下に出るように焼けるからだ。そして、この光の元に怪我をした人間がいれば…
「…ッ、痛みが…」
カナエさんが立ち上がり、肩の傷を見る。完全には治らないが、応急処置程度の治癒能力がある。
聞いた時にはなかなかチートだなって思ったけど、覚えるまでが長かったな。この型を使うに見合う能力を私が身に付け、なおかつ大事な人が重傷を負い死にかけなければ使えない型。
「月が出ている間、この光は消えない。夜明けが近付けば光は少なくなっていくけど、代わりに太陽が見える。どうする？どっちの光で焼けたい？」
にっこりと笑みを浮かべながら童磨に言う。こっそり鎹烏を呼んで、しのぶに来てもらうように頼んだ。カナエさんの怪我見てもらわなきゃだからね。
笑顔が少し引き攣っている童磨に、今度は私がニコニコと笑顔を向けた。このまま、童磨が体を張って私を連れて行ったりカナエさんを殺.したりできるだろうけど、そんなことしないだろう。こいつが鬼舞辻無惨のためにそこまでやるとは思えない。
…あまり忠誠心高くなさそうじゃない？私の気のせい？
「…うーん、太陽が出てきちゃう時間帯だ。今日は諦めるよ」
童磨がにっこりと笑って闇に消える。…一難去ったかな？ほっと息を吐くと、腰が抜けて座り込んでしまった。助けることができた…。よかった…
座り込んでしまった私の元にカナエさんが駆け寄ってきた。カナエさんが生きてることを実感して、ボロボロと涙を流した。
涙は、しのぶがここに来るまでずっと止まらなかった。
(伍の型を出すためにちょっと場所を変更しました。遭遇した場所は森の近くのつもりです。町の中だと伍ノ型出せない…)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2639人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月19日 22時) (
レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 月はあるんだけど好き…こっちの方が神秘的だわ (12月1日 16時) (レス) id: 8d474f6144 (このIDを非表示/違反報告)
凪疾 - 原作で月の呼吸というのはあります。でも全く別のものとして読んでますがいい話ですね！主人公と師匠の関係が最高です (2023年4月10日 23時) (レス) id: 105e0f51c7 (このIDを非表示/違反報告)
カナヲ(眠いちゃん) - 可愛い…やっとコメントする勇気でた…可愛い…これは友情にも恋愛にもとれるから好き…可愛い (2023年1月7日 3時) (レス) @page28 id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - あの、投稿されてからずっと後に読んだ者ですが、この物語は恋愛ルートですか？友情ルートですか？アンケート結果が分かりません。教えてください。 (2021年2月4日 20時) (レス) id: ee41c4b3a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：杏
| 作成日時：2019年7月4日 2時
