作戦決行 ページ14
言い切った後、二人に片方ずつ肩を掴まれた。そして強く握られる。
ギリッと音がしそうなほど強く握られ痛みに顔を顰めると二人は少し力を緩めてくれた。それでも強いし顔は怖いけど。
「尚更囮になんてできるわけないだろ！！」
「もっと自分を大事にしてくれ！」
主に錆兎に止められる。でもさ、今日中に終わらせるとしたらこれが一番いいと思わない？
「出てくる条件もわからない。唯一分かるのが若い人間を狙うことだけ。これ以上被害を出さず今日中に終わらせるとしたら、これ以上に良い作戦は無いと思うよ？」
「だが…！」
「大丈夫、二人がすぐ駆けつけてくれるでしょ？」
にっこりと笑みを浮かべると、錆兎も義勇も力が抜けたように深い溜息を吐きながらその場にずるずると崩れた。信用してるよ〜と私もしゃがみながら、二人の手を握りながら言った。
二人は更に溜息を吐きながら、顔を上げた。二人は笑みを浮かべている。
「分かった、Aを囮にして鬼をおびき寄せよう」
「鬼に遭遇したらすぐに鎹烏を俺達に飛ばせ！いいか！？無理はするな！！応戦するのは逃げられないと確信したときだ！！」
「分かった、分かったから落ち着いて錆兎。すぐ呼ぶから」
ガクガクと肩を揺らされ少し酔った。しかもそれは義勇が止めてくれるまで続いた。
私は刀を背負い服屋で着物を購入した。女子！って感じを出すために薄桃色の着物だ。それを上から羽織り刀を隠す。刀を持ってるだけで警戒されちゃうからね。
「さて、それじゃぁ行ってきます」
「あぁ…気を付けろよ」
「会ったらすぐに鎹烏を飛ばすんだぞ！」
「分かったって、錆兎！」
最後まで錆兎に心配されながら人気のない道を歩く。ただただ歩いていると、背中にゾワッと鳥肌が立った。その場を飛び退きすぐ二人に鎹烏を飛ばす。まさかこんな早く食いつくなんて思わなかったなぁ…
私の目の前には自分より身長の高い…当たり前か。私140しかないもんな。男の鬼がいた。
「稀血…稀血の…若い女だ！！」
「やっぱり稀血かぁ…」
取り敢えず時間を稼ぐために走って逃げる。錆兎と義勇が来るまで走って逃げられるかなぁ…とぼんやり考えていると、足をとられて転んだ。何かに躓いた感じでもない…どちらかというと…
足を掴まれて、引っ張られた？
バッと後ろを見ると、腕を伸ばして私の足を掴んでいる鬼の姿。
こいつの血鬼術…これか。これで死ぬことはないけど厄介だな。早く来てくれ二人とも。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (4月19日 22時) (
レス) id: 388da595fc (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 月はあるんだけど好き…こっちの方が神秘的だわ (12月1日 16時) (レス) id: 8d474f6144 (このIDを非表示/違反報告)
凪疾 - 原作で月の呼吸というのはあります。でも全く別のものとして読んでますがいい話ですね！主人公と師匠の関係が最高です (2023年4月10日 23時) (レス) id: 105e0f51c7 (このIDを非表示/違反報告)
カナヲ(眠いちゃん) - 可愛い…やっとコメントする勇気でた…可愛い…これは友情にも恋愛にもとれるから好き…可愛い (2023年1月7日 3時) (レス) @page28 id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - あの、投稿されてからずっと後に読んだ者ですが、この物語は恋愛ルートですか？友情ルートですか？アンケート結果が分かりません。教えてください。 (2021年2月4日 20時) (レス) id: ee41c4b3a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏
| 作成日時：2019年7月4日 2時
