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ああ、言ってしまった。



もう後戻り出来ない。



けど手が震えて仕方ない。



実弥様に怒鳴られるかもしれない。



それよりも、飽きられて捨てられるかもしれない。



言ってしまってから後悔する。



呼吸音ですら怖く感じる。



長かったような短かったような沈黙の後、



はァ……とまたため息をついてから実弥が口を開いた。



そして手を私の頭に乗せ、









「強くなりたかったんだろ?」









そう言って頭を優しく撫でてくれた。



その時、実弥様と初めて会った日を思い出した。



おばあちゃんが鬼に襲われて実弥様が助けに来てくれた時を。



その時確かに私は、







「強くしてください!」







と言った。



その日から私は継子になった。



けど継子というものは本来、相当な才能がないとなれないもの。



私に才能があったわけじゃないのに、



実弥様は私を継子にして鍛えてくれた。



風柱を受け継いでから、私が継子でよかったのか…とばかり考えてしまう。



私は身寄りの無い子供で放っておけなかったから継子という形でここまで育ててくれたのであろう。



そう考えると、実弥様には物凄く迷惑をかけた……と申し訳ない気持ちでいっぱいになる。



だから鬼と戦っていても、集中出来ず怪我をしてしまう事が増えた。



増えたと言うより、自ら増やしにいってると言った方が正しい。



目立ちにくいところ。



血は出なくても、実はお腹とかに痣はたくさんある。



自ら傷つけた体なのに、見ると腹が立ってくる。



そして自分に言い聞かせる。








「私は才能なんてない。実弥様の優しさに漬け込んだだけだ。最低な人間だ」







と。



無意味な事はわかってる。



立場が偉くなるにつれてどんどん心が締め付けられていく。

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ぴぴぴっぴ(プロフ) - あずさん» コメントありがとうございます!更新速度遅くてすみません…ありがとうございます!これからも頑張ります! (2020年3月19日 17時) (レス) id: dbc2e96e26 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - 更新される度いつも楽しく読ませて頂いてます!これからも応援してます! (2020年3月15日 0時) (レス) id: 132f2adf1a (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴぴっぴ(プロフ) - 好きぴっさん» コメントありがとうございます!こういうジェットコースター並の急展開が好きなので…笑テストが終わったのでたくさん更新出来ますよ! (2019年12月12日 21時) (レス) id: dbc2e96e26 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴぴっぴ(プロフ) - 澄葉流さん» コメントありがとうございます!雅継(まさつぐ)くんですね!怒りを静めてくださいいい!笑 (2019年12月12日 21時) (レス) id: dbc2e96e26 (このIDを非表示/違反報告)
澄葉流(プロフ) - 漢字読めないけどあの隠しの野郎許せねぇ!(口悪くてすいません) (2019年12月12日 19時) (レス) id: 1c36a56f8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴぴぴっぴ x他1人 | 作成日時:2019年11月25日 22時

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