【鬼滅の刃】元風柱の継子様は堅物デコ真面目に溺愛される

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「A！A！」









俺は必死に愛しい人の名を呼ぶ。









「よく目に焼き付けてください。A様の細く白い首筋から流れる血。美しいでしょう？」









それに、幾ら名前を呼んだところで、意識は戻りませんよ。と付け加えられた。



そして驚く事に、Aの血を舐めたのだ。









「わぁ……A様って、血まで美味しいんですね」









目の前の彼はまるで鬼のようだ。



だが、鬼の匂いも気配もしない。



彼は鬼のようで鬼ではない。



そんな事より、早くAの止血をしないと…！









「A！目を覚ませ！」









──────────A！！









届くか分からない俺の言葉。



でもそれを辞めようとは思わない。



そう思い何度もAの名前を呼ぶ。



けど反応はない。



もう無理なのか…と諦めかけたその時、









「た、ん…じろ…」









小さい声だったがよく聞こえた。



俺の名を呼んだ。



この事には惚れ薬を使った本人でさえも驚いている。



でも彼は、









「あーあ、つまんない」









そう言った時の顔は、心底不満そうな顔をしていた。



そしてAを自分の身から離し、



俺の方へと突き飛ばす。



なんとかAを受けとめ、すぐさま首に布を押し当て止血する。



あっという間に布は赤くなる。









早く…早く止まってくれ！！



このままだとAを失う事になる！！



そんなのは絶対に嫌だ！！

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