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あぁ、何故こんな世界に来てしまったのだろう。
朝姫、きっと心配しているだろうな…
帰りたいな…
そう願いも込めて歌った。
「ふぅ…」
私は満足して歌うのを辞めた。
すると3人は拍手してくれた。
「ありがとう」
この子達は素直だ。
困らせてはいけない。
歳が上な分、私がしっかりしていないと。
強さは彼らの方が強い。
精神的な面で彼らを守ろうと思う。
例えそれが親友の真似事だとしても。
「なんでお前泣いてんだ?」
「え?」
伊之助に言われて気づいた。
涙が頬をつたっている。
きっと元の世界の事を考えていたからね。
「少し感情的に歌いすぎたからね。もうお終い。これ返してくるね」
立ち上がり部屋を出ようとしたら、
腕を掴まれた。
しかも両腕。
「えっと、どうしたの?炭治郎、善逸」
2人共無言で腕を掴んでいる。
先に口を開いたのは炭治郎だった。
「一人で抱え込まないで。苦しいなら話をしてほしい」
続いて善逸も、
「そんな悲しい音させるなら、話して楽になって」
2人共元の世界だったら相当モテているだろう。
伊之助もだ。
「心配してくれてありがとう。でも話す事は何も無いわ。気にしないで」
この言葉で、2人を余計に心配させる事を私は知らない。
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作者名:ぴぴぴっぴ x他1人 | 作成日時:2019年11月8日 0時