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炭治郎が来てから、私の演奏会になってしまった。
いつの間にか伊之助も座って、私の演奏を聴いていた。
この光景を見てふと思い出す。
そういえば朝姫も同じように聴いていてくれたな、と……
。
〜♪
「Aは天才ね!!!」
「朝姫ったらそんなに褒めても何も出ないわよ?」
「私Aのピアノ好きー!心が落ち着くの」
「誰が弾いたってピアノの音は変わらないわよ?」
「ううん、変わる。確かに音が綺麗な事には変わりないけど、感情の込め方で違う音に聴こえるの」
「朝姫は凄いわね」
私がこの世界に来る前の会話。
朝姫は私にとって唯一の親友。
大好きな親友。
「ねぇ、A進路はどうした?」
「私は保育へ進むよ。朝姫は?」
「保育かぁー、Aらしいね!
そうだなー、私は医者かな!」
「朝姫なら頭も良いし優しいしきっと向いているわ!」
「ありがとう!」
そんな会話をかわしつつ、ピアノを弾く。
すると朝姫が歌い始めた。
透き通る声。
私はその声に合わせてピアノを弾く。
答えるように朝姫は歌う。
なんて楽しいんだろう。
なんて幸せなんだろう。
その幸せな時間に戻る事が出来るなら戻りたい。
そう思い私は、三味線を弾きながら歌い始めた。
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作者名:ぴぴぴっぴ x他1人 | 作成日時:2019年11月8日 0時