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部屋の前で俺達は待っている。



しばらくしてから困惑の匂いがしてきた。



伊之助は庭を走り回っているし、



俺と善逸は胡座(あぐら)で座っている。



匂いは多分Aからだ。






「炭治郎…」





と、か細い声で呼ばれた。







「どうしたんだ?何かあった?」


「浴衣が着れない…」


「え?」


「お恥ずかしながら浴衣が着れません」









………浴衣が着れない?








「A、部屋に入ってもいいか?」


「どうぞ。帯が上手く出来なくて…やってくれない?」







そこには浴衣を羽織って、腰に帯を巻いただけのAが立っていた。




落ち着け炭治郎。




帯を締めるだけだ。




そう自分に言い聞かせAの帯を締めてく。








「何年も浴衣着てないから忘れちゃってたわ。ありがとうね炭治郎」


「い、いいんだ。昔、弟達にもやっていたからな!」


「立派なお兄ちゃんね」








出会った時から違和感を感じてた。



Aは俺達を、小さな子供に語りかけているような話し方をする。



歳はそう変わらないはずなのに…



何故だろう。



それに匂いもだ。



何か嘘をついている匂い。



Aは何故嘘をついているのだろうか……

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作者名:ぴぴぴっぴ x他1人 | 作成日時:2019年11月8日 0時

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