Summer Memories. (ページ3)

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顕嵐side

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「あ、ねぇ阿部くん」

放課後。

いつも通り怜央とちひろと帰ろうとしたら

佐島から声をかけられた。

なんだよ、なんだよ！！

でもそれより！

顕嵐「顕嵐でいいよ」

「え、」

顕嵐「苗字で呼ばれるのあんま慣れてないんだよね、
それにそっちの方が反応しやすいっていうか」

ていうか呼ばれたいというのが1番の理由。

俺もいつ名前呼びに出来るかなぁ。

「…じゃあ、顕嵐くん」

その瞬間、胸がドキッと高鳴った。

ちひろとか、それ以外の仲良い女にしか

名前呼びされてないのに

なぜかいつもと違う感じがする。

自分の名前が特別になった、みたいな。

長妻「なんだよなんだよ、
出会って1日目なのにこのお熱い雰囲気は！！」

ちひろ「2人の世界に入らないでくれるー？」

「べ、別にそんなんじゃない！」

顔を赤くする佐島がかわいくて、

その言葉を否定したくなった。

好きだ、って伝えたくなった。

長妻「帰りますかー」

ちひろ「絶対外暑いじゃーん」

2人でわいわい話しながら俺たちの先を行く。

2人の世界に入ってるのはどっちだよ。