今日は君だけの日 ページ6
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ボールを打つ軽快な音。
ラケットが空を切る音。
コートを踏みしめる足音。
懐かしい音が次々と耳へ入り込んでくる。
引退後、俺はあまり部活には顔を出さなかった。一応受験生だからというのもあるけれど。
赤也が部長をやることに不安は感じていないし、過酷な練習を共に乗り切った仲間なのだからきっと上手くやってくれる、と信じている。
あとは、そう。全国大会。
負けてはならない、必ず勝て、それが掟。
常勝に囚われた俺は、一年生のルーキーに負けたのだ。
後半、天衣無縫になって本当に楽しそうにテニスをするボウヤ。無邪気な子供のようにコートを駆け回るその姿が、俺はどこか羨ましかったのだろう。
今の俺でも、テニスを楽しんでやれるだろうか。
そんな行き場の無い葛藤から、引退した部活には顔を出せないでいたんだ。
「常勝」から開放された今、俺は一体、何の為にテニスを______
「部長ぉー！」
特徴的な髪の毛を揺らして、突然赤也が目の前にやってきた。
「何怖い顔してるんスか、今日は部長の為の部活なんですから！一緒にテニスやりましょ！」
ほらほら、と背中を押されてコートへ入っていく。前を見れば、そこにはいつもと変わらない仲間達。レギュラージャージを身にまとい、愛用のラケットを持って俺を見据えていた。
そうか、俺は、きっと。
くすりと笑って、グリップを握り直した。
「そういえば赤也、俺はもう部長じゃないよ」
「......あ、そうだった。で、でも、せめて今日だけはそう呼ばせてくださいよぉ！俺にとっての部長はアンタしかいないんだ」
「ふふ、仕方が無いね」
この仲間達とテニスをすることが、何よりも嬉しくて幸せで、そして何よりも楽しいんだ。
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ぽんぽんぺいん/梅田(プロフ) - 晴一さん» 晴一さん、コメントありがとうございます。溢れ出る幸村様への愛をこの作品から少しでも感じて頂けたのなら幸いです。とても嬉しいお言葉ありがとうございます！ (2016年3月5日 2時) (
レス) id: cc3adbb15b (このIDを非表示/違反報告)
晴一(プロフ) - 初コメ失礼します。幸村様への愛溢れる生誕祭小説、とても素敵でした！私も今日と言う日を迎えられたコトを狂喜乱舞した者なので、嬉し過ぎて泣きそうです…っ！ありがとうございました！！ (2016年3月5日 1時) (レス) id: 55447c4746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんぽんぺいん(梅田) | 作成日時：2016年3月5日 1時
