その背中を癒すのだ ページ12
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「馬鹿馬鹿馬鹿......うましか、馬鹿、馬鹿」
「ふふ、はいはい」
部室までの道中、私はひたすらにそれを繰り返し呟いていた。幸村は呆れながらも嬉しそうな顔で微笑んでいる。くそっ、ドMか！
「ほら、部室ついたよ」
気付けば扉の前。あ、そうそう、これは先に幸村に入ってもらって......
ガチャ
バチャンッ
パンパンパンッ
「誕生日おめでとう！」
扉を開けた瞬間にとんでくるケーキ......つまり顔面パイならぬ顔面ケーキだ。それを受けクリームとスポンジで真っ白い顔になった幸村。
その後に怒涛の7連発クラッカー。の後におめでとう。
一度に起こった沢山のことに驚き思考停止した幸村を押しやって部屋に入れてやる。ちゃんと扉も閉める。
......というか、私にとっては今よりさっきの方が余っ程サプライズで驚いたわ。
「ほら、幸村、しっかりせい」
未だに固まっている幸村を叩いて再起動させる。ようやく我に返った幸村は顔面の生クリーム達をつかむとおもむろに口に入れた。
「......うまい」
「うまい、けど」
「......しょっぱいなぁ......」
ああ、サプライズ、プレゼント二つ目成功だ。
顔面クリームだらけの幸村に皆が集まる。私は皆の視線を視線で返し、幸村の丸まった背中を優しく撫でてやる。
華奢に見えても、筋肉のついたたくましい背中。誰もがその背中を目指した。
この背中に、一体どれだけのプレッシャーを背負っただろう。どれだけの執念を持っただろう。
優しく、優しく。上から下へ、その重みを落とすように。癒すように。ただひたすら。
「おめでとう、幸村。
生まれてきてくれてありがとう、幸村。
私達とテニスをしてくれて、ありがとう、精市」
ひとつ、またひとつ落ちる水滴が、窓から入る夕日に照らされてキラキラと輝いて見えた。
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ぽんぽんぺいん/梅田(プロフ) - 晴一さん» 晴一さん、コメントありがとうございます。溢れ出る幸村様への愛をこの作品から少しでも感じて頂けたのなら幸いです。とても嬉しいお言葉ありがとうございます！ (2016年3月5日 2時) (
レス) id: cc3adbb15b (このIDを非表示/違反報告)
晴一(プロフ) - 初コメ失礼します。幸村様への愛溢れる生誕祭小説、とても素敵でした！私も今日と言う日を迎えられたコトを狂喜乱舞した者なので、嬉し過ぎて泣きそうです…っ！ありがとうございました！！ (2016年3月5日 1時) (レス) id: 55447c4746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんぽんぺいん(梅田) | 作成日時：2016年3月5日 1時
