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もうすでに柵の向こう側にいるので少しバランスを崩しかけた。
「何をしているの？」
後ろを振り返る前にAの声がした。
「…Aの所に行こうと思って。」
これが僕の幻想なんだって事分かっている。
僕の幻覚のA。
いや、Aが少し考えた様な振りを見せてこう言った。
「…オッパ、私の誕生日になんでも叶えてあげるって言ったの覚えてる？」
「…うん。」
Aがにこにこしながらうんうんと頷く。
「それをもし今使えるなら。」
あぁ、きっと死なないで。とかそんな感じの事を言われるんだろうな。
「オッパが私の分まで世界中の人を笑顔にしてよ。」
「え、？」
想定外の答えを聞いて間抜けな声が出た。
「だから！オッパが世界中の人を笑顔にしてみせてよ！私の夢を代わりに叶えてよ。」
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作者名：#ユン シュガ | 作者ホームページ：http://yunn suga
作成日時：2022年2月25日 10時
