隣人がイケメンだった件について【fw】 (ページ8)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:9,890 hit

・ページ8

『おすすめ聞かれちゃうと全部がおすすめで、止まれなくなっちゃうんですよね……』

自分の悪い癖で治さないといけないと思っていることにすかさずフォローを入れてくれる、流石イケメンのなせる技だ！

「いいっすよ。俺ー、その最後に言ってたヤツ、ちょっと気になったんすけどもう一度見せてもらってもいいっすか？」

『あ、はい！これなんですけど、かけてみますか？』

「え！いいんすか！」

『いいですよ！！どうぞー』

「へーこれいいっすねぇ」

目をキラキラさせながらエレキギターのボディを触っている不破さん
まるで新しいおもちゃをもらった少年みたいだ

『そのギター色と可愛くていいんですよね！他にもいっぱいあるので是非ご覧になってください！試奏も出来ますのでお声掛けください！』

「はーい、ありがとうございまーす」

つるつるとギターを触る不破さんの元を後にし、レジへと戻った

「……梶原さん」

後ろから声がし、びっくりして振り向くと

『！なんだぁ店長かぁ…どうしたんですか？』

そこにはニヨニヨした顔の店長がいた

『……なんですか、その顔』

「梶原さん、この春からここに引っ越してきたんでしょう？なのにすぐにイケメン見つけちゃって！いいねぇーー」

ほっぺたをぷにぷにされる

『いや！見つけたくて見つけたわけじゃないんですよ！偶然！お隣さんがあのイケメンだっただけなんです！』

「それでもいいじゃん。運命、運命！はぁー、イケメンの隣に住んでるってだけでもいいなぁー」

何か訳の分からないことを言いながらお店の裏へと戻って行った

『店長だって姉御系美人なのに、絶対モテるでしょ……』

サバサバしてて最高に姉貴！って感じがする店長になぜ彼氏ができないのか、遠くでギターを物色してる不破さんを見つめながら考えた

・
・
・

「……あ、あのー」

『あ、はい！どうされましたか！』

少しぼーっとしすぎて不破さんがこちらに近づいてきていたことに気がつかなかった

「一応、決めたんすけど、ちょっとまたきてぇ、考えてもいいっすか？」

『はい！少しお高い買い物になると思いますので、たくさん考えてください！』

「はは、ありがとうございます。じゃぁ、えーと、また？」

『はい！また！ありがとうございましたー！』

気の強い人そうに見えたけど、思ったよりも物腰柔らかい人で良かった

『お気に入りのギターが見つかるといいなぁ』