第7話 ページ9
その瞬間──ドオォォン!
タブレットが爆発した｡灰原と門の近くにいた警察官が爆風に吹き飛ばされる｡
｢灰原!｣
吹き飛ばされた灰原は車道に転がった｡倒れた灰原に車が向かってくる──!
｢お父さん!｣
小五郎は植え込みを飛び越え､車道に出た｡倒れている灰原を抱き抱えて転がる｡急ブレーキをかけた車が2人の横を通り過ぎて止まった｡が､対向車線に転がった2人に大型トラックが迫る｡2人に気づいた運転手がブレーキをかけるが､大型車なのですぐには止まれない──!
ゴンと鈍い音がして､トラックが止まった｡
｢おっちゃん!灰原!｣
遅れて車道に飛び出したコナンは､小五郎達の所へ向かった｡大型トラックの前に小五郎達が倒れていて､上半身を起こした灰原が小五郎の体を揺すっている｡
｢おじさん!しっかりして!おじさん!｣
｢灰原!｣
｢私は大丈夫｡でも──｣
小五郎はぐったりと地面に突っ伏していた｡頭から血が出ている｡
｢蘭姉ちゃん!救急車呼んで!｣
｢う､うん｣
歩道で青ざめていた蘭は､慌ててバッグからハンカチと携帯電話を取り出そうとした｡するとその時､火がついた紙がヒラヒラと目の前に落ちてきた｡そのまま植え込みにポトリと落ちる｡蘭はあまり見かけない文字を見た､記憶に残るような文字だった…
｢危ない!｣
火が植え込みに燃え広がって蘭は咄嗟にバッグで叩いた｡子供たちも息を吹きかけて消化しようとする｡その近くでは､倒れた外国人男性が激しい炎に包まれていた｡
｢早く消せ!｣
｢クソっ!近づけない!｣
炎はその場に集まってきた警察官を阻むように吹き上がり､猛炎が湧き起こった｡
｢警視庁前で事件だぁ?｣
｢物騒だね〜｣
｢米花町は元からおかしいだろ｣
ある2人の警察官の耳にその事件の内容が伝わっていく…
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作者名：東方大好き x他1人 | 作成日時：2022年6月14日 15時
