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第2話 ページ4

とある立体駐車場では

白いRX-7が駐車場に停まっている…運転席には安室透が助手席には風見裕也が2人とも険しい顔をして座っていた

「本当に来ますかね?」
風見がちらりと見ると、安室透は前を向いたまま言った

「匿名のタレコミだ。望み薄かな」

「この男なんですよね?」
風見は持っていたタブレット端末の画面を人差し指でなぞった[爆破テロ、観覧車と病院に 一般人1人が重症 3年前の同一犯か]という見出しの記事がスクロールされて、犯人の顔写真が表示される。僅かばかりに風見の言葉が強くなる

「降谷さんの同期の命を奪いかけ…あの人の命を失わせようと…」
風見にもどうやらこの犯人に思うことがあるようだ

「すみません、余計なことを──」

「どうも引っかかるんだ」

「え?」
驚いた風見が顔をあげると安室は風見のタブレット画面をチラリと見る。見た時にギチッとハンドルから音がしたのは気のせいだろうか…

「爆弾の知識はともかく、脱走の計画を練り、実行するだけの力が、その男にあるとは思えなくてね。」
安室は淡々と言っているがその目には隠しきれていない怒りが潜んでいる

「それって、つまり…」
風見がたずねようとしたとき、安室が不意に前を向いた。風見も前を向いてハッとする。息を切らした男が首元を抑えながら、車の前を横切って行くのが見えた。

男が走っていくのを確認した安室と風見は、車から素早く降りて、男を追った。男は足を緩めて周囲をキョロキョロ見回すと、やがて1台の車のドアの前で立ち止まった。大きく腕を振りかぶり、窓を叩き割ろうとする。そんなことが素手でできるのは安室さんくらいでは?と風見は走りながら思う。
ガン、ガンと窓を叩く音が駐車場に響いた。追いかけてきた安室と風見がやや離れたところで立ち止まると、男は振り返った。そして即座に逃げる。立体駐車場の螺旋状のスロープを駆け下りた男は、やがて壁際に追い詰められ、追ってきた安室達を振り返った。
風見は警察手帳を提示しながら、ゆっくりと右サイドから近づいていく。安室も左サイドから近づく。

「助けてくれ!」

男は首元を押さえていた右手を離して叫んだ。

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作者名:東方大好き x他1人 | 作成日時:2022年6月14日 15時

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