＜アイズ＞~守るために~5 (ページ37)

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使わないページ37

ウズベキスタン戦のための練習を稲森達はしようとしていた

稲あれ？一星とAは？』

灰一星はほっとけよ。だがAは朝から見てねぇな』

金ほっほっほ。Aさんには少しおつかいを頼みましたからね。それではこのテッシュを…』

監督は練習内容を話しだした

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貴充、練習参加しないの？』

充が座っているベンチの隣に座るA

充しないですよ。俺がいても空気悪くなるだけだし』

つーん、と強がる充

充それより先輩は何でここに？まさか俺を練習に引き出そうとか？』

貴んー違うね。ただ充が気になったから来ただけ』

サボり仲間だねー、とヘラヘラする彼女を見て充は眉を歪ませた

充やっぱり先輩意味わかんないですね。変わってる』

貴よく言われる。…充はさ、救いたい人がいる？』

充はチラッと彼女の横顔を見る。すると彼女は気づきニコッと笑った。その笑顔に心を許してしまう

充 ……います。どんなに手を汚してでも守りたい人が』

充の顔が険しくなる。彼女は悲しそうな声を出す

貴充は優しすぎるよ。もっと自分を(先輩に何がわかるんです。俺はもう決めたんですよｯ』

突然叫ばれAは目を見開く。するとはっ、した顔をし充はすみません…と謝った

充 …ともかく、俺は大丈夫ですから先輩は練習行ってください』

顔を伏せて立ち去ろうとする充。彼女はガシッ、と腕をつかみ引き寄せる

貴私にも救いたい人がいるの。頑固だけど本当は優しくてサッカーが大好きな人…充、貴方だよ』

その言葉に充は目を丸くする。

彼女のその目に全て見透かされてる…、そう思うと同時に充は目に熱いものが溜まる

貴おいで、充』

母親の様に両手を広げたAに充は吸い寄せられるように両手の中に身を任せ

声も上げずに静かに涙を流し続けた

アイズを使わなくても、人は助けれる。