【ハイキュー!!】清楚な子【及川 徹】

お洋服 ページ11

転びそうになったAちゃんを支える。

危ない、間に合ってよかった。


「よし、じゃあ今度こそ！」

「このマシュマロいけますね」

「本日二度目の無視!!」

なんか冷たくない!?

最初と違わない!? Aちゃんんんん!!

「嘘ですよ、先輩。行きましょう？」

「ッ…」

下から覗きこんで来るとか反則…。

「ん、じゃあ」

「はい？？」


差し出した手を不思議そうに見つめる

「手、繋ご」

「!! はいっ、先輩っ!!」

あーあ、ホント反則。

さっきの冷たい態度は微塵も感じられない向日葵みたいな笑顔。

これで彼氏いなかったなんて…信じられない。

けど。今は俺が彼氏だから。

君の一番大切な人で有りたい。

君の笑顔を独り占めしたい。


君の…彼氏で居たい。


「先輩？どうしました？」

なんでもないよ、そう言う代わりに手をギュッと握った。

「ほら、行こう」

「待って下さいー、私、運動音痴なんですけど…」

君が、愛しい。




「このデザイン可愛いじゃん。Aちゃんに似合いそう。」

「んー…。ちょっと短くないですか!?」

そうかな…。

今流行りのお店で洋服を見てるんだけど…。

なかなかお気に召さないようで。

「コレは？黒が髪の色とお揃いな感じで」

「肩めっちゃ出てるじゃないですか…。」

「あ、コレなんかどう？丈長いし、肩も出てないよ」

「この飴味変わるって本当だったんですね。
　グレープからソーダになりました。」

もはや話すら聞いてない…。

どうしようかと悩んでいた時

「これ…。凄い、可愛いです。」

息を呑む音が聞こえた。

「ミントグリーンのワンピかぁ…。いいね、試着してみる？」

「してきます…!」

黒のベースにミントグリーンのドットが散らばっている。胸元で切り替えがあって、下の方はミントグリーン一色。

俺達のチームカラーの、ワンピース。

それを身に纏った彼女は、本当に美人だった。

雑誌の表紙を飾るモデルにだって負けないくらい、綺麗、だった。

「この靴も合わせてみて。」

「薄ピンクのパンプス…!可愛いですっ。」

「…完璧、じゃん。」

えへへ、とはにかむ君。

…なんて、美しいのだろう。君は。

「お買い上げ決定だね!!店員さん呼んでこないと」

「早速着るんですか!!えっと…値札は…。」

「いーのいーの。俺が払うから。」

「え…。いや、そんな…。」

「俺からのプレゼント、だよ？」

「ッ…。ありがとうございます!!」

愛しい君への、プレゼント。

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