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epi.35 ページ36

2人とも水筒を洗ったままだったので、お茶を入れて、少し早めに家を出た。



学校に着くと、どうやらまだ朝練中のようだ。





『うーん、どうしよう、怪しまれても嫌だしな。』



そうやって入口でウロウロしてると、







「あれー?懲りずにまた来たん〜?」

「わぁ、ほんまや〜しかも何その水筒、差し入れでもするつもりなん〜?」




うわぁ、前に突き飛ばしてきた女子や。


本人たちのです、という訳にも行かないので




『いや、これは自分の……』

と見え見えの嘘をついてしまった。




しかしそんな言葉は届いていないようで、



「ちょっとこっち来いや、」


急に声色を変えて、体育館裏へと引っ張られる。







『いたた……』

引っ張られたのは湿布を張っていた手なわけで、すごく痛い。





「あんたさ、ほんまに調子乗りすぎ。」

「そうそう。稲荷崎高校バレー部は、みんなのものやねん。」





『いや、バレー部は物なんかじゃ……』



言い返そうとすると


また上からうっさいわ!と声がかぶさってくる。







ひぃー女子怖いー

私は持っているカバンと水筒をどうしようか必死に頭を回す




カバンの中には、治と侑のお弁当も作った。


頼まれていないけど、少しでも喜んでくれたらって。









『っ、どいて……』



震える声で、キッと彼女たちを睨みつける




「はぁ?どいて?」

「ほんまに自分の立場分かってないようやな!!」





そう言われて、バッと握っていたカバンを取られそうになる。




『っ!ちょ!やめて!!!』


「もうっ!離せや!!」

2対1で力で勝てる訳もなく、あっという間に取られて、






バンッ!!!!




っと床に投げられてしまう。




『あっ……!』





「はぁ、はぁ、その水筒もかしいや、」

もういいやんか。

どこまでやれば気が済むん。







『謝って……』






「は?」









私は涙目になりながら、思いっきり言った





『バレー部に謝れ!!』






必死に部活を頑張っている人がいるのに

なぜその裏でこんなことが出来るのか。



ただ純粋に応援していれば、彼らもきっとあなた達に返してくれるのに。




「……はぁ?」
「もういい、こいつ締めよう。」





そう言ってジリジリと近づいてくる2人

私の胸ぐらを掴んでくる。


私は、キッと睨みつけると









?「そこまでや。」







頼もしい、あの人の声が聞こえた。









?「その子、離し。」

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結衣 - 読んでてドキドキ止まりませんでしたぁぁ(՞ . .՞)♡ (4月7日 13時) (レス) @page49 id: 5727d31c28 (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ - 砂糖よりの塩じゃない方さんっ!!あなた様は神です。(ガチ)ファンです! (2023年4月2日 23時) (レス) @page49 id: 5fa05c04a7 (このIDを非表示/違反報告)
多純 - 「昼のチャイムがなりそうになり」が、「昼のチャイムかなりそうになり」になっていましたよ! (2023年1月12日 11時) (レス) @page7 id: cf354936d6 (このIDを非表示/違反報告)
全推し - ↓下に同じくうう! (2022年7月30日 17時) (レス) @page50 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
パインじゃむ - えっっっっっ好き←( ✌︎'ω')✌︎ (2022年2月12日 14時) (レス) @page2 id: a53206b000 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:砂糖よりの塩じゃない方 | 作成日時:2020年8月23日 8時

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