検索窓
今日:14 hit、昨日:109 hit、合計:404,348 hit

epi.19 ページ20

宮治の疲れている顔を見ると、申し訳ないという気持ちがどんどん溢れてくる。


私は近くにあった毛布を宮治にかけ、ゆっくりとソファから立った。


宮治の手から食べかけのゼリーを取り、机に置いた。









『よし。』



軽く腕まくりをし、冷蔵庫の中を見る。

最近まともな食事をしてなかったからあまり入っていない。

有り合わせで鍋でも作ろう。






私の好きな味噌鍋を煮込んでいる間に、

お風呂を洗い、湯船を貯めた。

溜まっていた洗濯物もついでに回す。




その物音で宮治は起きたのか、

ぼーっとした顔で、お風呂場まで来た。





『疲れてるよね、ご飯もうできるから。』




私が洗剤を洗濯機に入れながら話すと


気だるげに後ろから体重を乗せてきた




『うわっ』





首元に手を回し、んーーーっと肩に顔を埋めている。

この人は猫か何かなのか。





宮治「あー。やっぱ落ち着くわ。」




気が済んだのか、それだけ言うとまたソファへ戻って言った。






私も台所に戻ると、もう沸騰していた鍋に急いで火を止めた。







そこからは本当に他愛も無いはなしばかり

うまいうまいと頬張ってくれる彼は本当に猫のようだ







『ねぇ、宮治。』



宮治「それやめぇや。」



『へ?』





もぐもぐと口を動かして、ゴクッと飲んでからまた宮治は話した。




宮治『なんでフルネームやねん。』

『え、今?』



そんなの今に始まったことでは無い。



宮治『言う機会逃してたんやっ!』


『あっそうなんや、じゃあ、宮?』


別に呼びやすいからいいけど。


宮治「ちーがーうー」




うーと唇を窄めて、私に顔をちかづける



宮治「おさむ。って呼んでや。」









また自分の耳が赤くなったのがわかる。






『別にいいけど、、、』


宮治「ほらほら、よんでみぃ〜」


『なんでそんな楽しそうなんよ笑』


宮治「ほれほれ〜」


『おさむ。』



少し小さい声で、呼んでみた。

宮治はニヤッと笑うとそのまま挑発してきた



宮治「なーんてー?」


『はっ!?』


宮治「聞こえませーーん。」






コイツゥ!

ちゃんといえばいいんでしょ!!!





『おさむ!!』




宮治もビックリした顔で、目を見開いた。






それは直ぐに緩んだ顔になって





宮治「うんうん。なーに?」



こテンっと首を傾げた。






『お、治がお風呂、先入っていいよ。疲れてるでしょ。』

epi.20→←epi.18



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (504 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1168人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

結衣 - 読んでてドキドキ止まりませんでしたぁぁ(՞ . .՞)♡ (4月7日 13時) (レス) @page49 id: 5727d31c28 (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ - 砂糖よりの塩じゃない方さんっ!!あなた様は神です。(ガチ)ファンです! (2023年4月2日 23時) (レス) @page49 id: 5fa05c04a7 (このIDを非表示/違反報告)
多純 - 「昼のチャイムがなりそうになり」が、「昼のチャイムかなりそうになり」になっていましたよ! (2023年1月12日 11時) (レス) @page7 id: cf354936d6 (このIDを非表示/違反報告)
全推し - ↓下に同じくうう! (2022年7月30日 17時) (レス) @page50 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
パインじゃむ - えっっっっっ好き←( ✌︎'ω')✌︎ (2022年2月12日 14時) (レス) @page2 id: a53206b000 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:砂糖よりの塩じゃない方 | 作成日時:2020年8月23日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。