コンプレックス･ラブ【桃】

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｢うわ、すっご｣




自販の前でずっと立ち止まっていた私を、

｢お前滞在しすぎ｣って舞が迎えに来てくれた。



手を引かれ、連れてこられたグラウンドでは、
ちょうど小瀧のクラスが試合中。



｢あれはモテるわ｣

｢うん、モテモテだ…｣


きっと恋特有のフィルターはかかってるんだろうけど、


すごくキラキラして見えて

全部かっこいい。



グラウンドには、女子の黄色い歓声が響いて

それも全部全部、小瀧に向けられたもの。


なんか、遠く感じるなあ…




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｢あ、小瀧のチーム勝ったっぽいね｣




ピーッて、笛の音が鳴って試合が終わった合図。

笑顔でチームメイトとハイタッチする小瀧。





｢これは小瀧んとこが優勝やなあ｣


いつの間にか隣にいる男、重岡大毅。




｢あれ、うちのクラスは？｣

｢聞いて驚けやで｣

｢えっ、まさか決勝！｣

｢初戦負け｣

｢…はあ？｣



ごめんやで〜

って舌を出す重岡。


ふざけてやがる




｢サッカー部！｣

｢だって相手チーム、ばり強いねんで？

サッカー部2人おるしさあ、野球部のエースとかさあ｣

｢いや、まじかよ｣




じゃあうちのクラスは…

優勝候補と言われていたうちのクラスは




｢まあ、優勝はないよね｣

｢おい、重岡、こら｣

｢Aも負けたやろ！｣

｢舞がバレーで勝ったもん、女子は｣

｢え、待って。Aと一緒にすんな？｣

｢秒で見捨てられた｣





私達のクラスは優勝を逃したのだけども


｢今は小瀧の応援やろ｣



私には小瀧の応援が残ってる。

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