コンプレックス･ラブ【桃】

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結局、小瀧の押しに負けて絆創膏まで貼ってもらった。

私ナメられてる？
絆創膏くらい貼れるんだけどね？




その後は流れ的に一緒に帰ることになり、たわいもない話をしながら横並びで道を歩く。


ずっと隣を歩いてるから、もしかしたら家が近いのかもしれない。





｢私の家そこ曲がったらすぐ｣

｢へえ｣

｢うわ、すっごい興味の無さ｣


徒歩通学だから、もちろん私の家は学校から近い場所にある。


話し相手がいるとこんなに早く着くんだ





｢じゃあ、また明日｣

｢うん｣


小瀧は私に背中を向けて、

歩いてきた道を逆戻り。


えっ、




｢小瀧、｣

｢ん？｣

｢家どこ？｣

｢あっち｣



指さした方向は、私の家と完全に逆方向。

遠回りさせちゃったってこと？

…それは申し訳なさすぎるって






｢1人で帰れるのに…｣

｢危ないやん｣

｢私なら大丈夫｣

｢私ならとか意味わからん｣

｢いやだって、こんな奴誰も、｣

｢お前さあ、｣



呆れたような表情。

小瀧はぐーの手で、
私のおでこをこつん、と軽く叩いた。




｢暗い中女子1人で帰らせへんわ｣

｢自覚しろ、あほ｣




だから、こんな扱い慣れてないんだって

きっと赤くなっている頬に気づかれないように、
少しだけ俯いた。






｢ごめん…｣

｢なんで謝んねん｣

｢だって｣

｢ありがとうでええんちゃう｣

｢…ありがとう、｣

｢ふふ、いいえ｣




物好きもおんねんから、

そう言って笑う小瀧に、なぜか言葉が詰まって言い返せない。




もう少しだけ話していたい、

なんて柄にもなく思ってしまうのは。





どうして？

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