甘い甘い君が好き 6【HQ】

甘い匂いが108こ。 ページ8

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夢主side




「時間切れ…？」



焦った彼の様子を伺っているとダッダッダッと乱雑に階段を駆け上る足音が聞こえてきた。





それは段々と近くなっていき、





「Aーー！！！」





バタンッと勢いよく扉が開いた。




予想通り。丁度いいところにきてくれた。




「な、なんで…ちびちゃんが…」




そう。私の部屋へとやってきたのは翔陽だ。


この状況を急に見たら訳がわからないだろう。



だけど、




「え、なんで大王様が！？


…てかAに何してるんですか。離れてくださいっ！」



どんな状況でもきっと助けてくれる。


状況を何となく読めた翔陽は、私から及川さんを引き剥がしそのまま翔陽の腕の中へと誘導された。





『翔陽ー！』




助かったー…。




翔陽が来てくれなきゃ私は今頃…
考えただけでも寒気が…。






「Aー！」




ギューっと効果音がつきそうなくらいに抱きしめ合う。



そっと横目で及川さんを見てみると、口を開けっぱなしで状況があまり飲み込めてないような感じにだった。


これでなんとか彼から離れることができた。




「及川さんを忘れないで…？」



「早く朝練行くぞ！」




『…うん。わかってるよ！』



翔陽は及川さんの言葉を遮った。





「ちょっt「用意してこいよ！」



『えっ…』



また遮ったかと思うと私はそのまま翔陽に背中を押されて部屋から追い出された。


そのドアはすぐにしめられた。



「俺もすぐ行くからなー！」



ドア越しにでかい声でそう返ってきた。



でも…少し助かったかも。



翔陽はわざと私が及川さんと絡まれないように部屋から出してくれたんだよね。



いろんな感情がごちゃまぜになり頭の中でぐるぐるとかき混ざる。






私は急いで階段を降りて下の部屋へと走った。

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