【そらる】心が読める少女を救いたい2

58 ページ26

知らないうちにデータ吹っ飛んでました。はい、絶望。
ーーーーーーーー

放課後、独りで本を読む


在庫確認が終わり、時間が余ったので適当に本を選んだ


でもあと一週間もすれば全部読みきってしまう


『…ん？』


何処からか、聲が聞こえる


哀しい聲。この校舎からだ


_信じれば良いのかな…でも、そのせいで何度傷つけられたんだ？今回こそホンモノなの？また傷つけたりしない？


何処か聞き覚えのあるハイトーンボイス


『まふ…だ…』


間違いない、相川真冬張本人


『この状況は……


あれ？………っ！大変！！』


一度だけ、経験したことがある


中学のときのクラスメイトが屋上から飛び降りた


その時も私は図書室で本を読んでいた


そして、『辛い、誰か止めに来て』、と聲が聞こえてきた


私は、一人の命を見殺しにした


だから…、今度こそ


同じ過ちは犯したくないから


私の足は自然と屋上へ駆け出していた

59→←57

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す