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side:yugo
あーついてない。
早朝は小雨だからと散歩がてら北斗に会いに行こうとしたのが間違いだった。
半分まで行かないところで雨が本降りになってきた。
雨宿りできる場所を探していると、ぽこんと手頃な洞穴を見つける。
そっと中を覗くと、見知らぬ人が立って外を見ている。
…あれが、みんなの言ってた子、か。
競争に不向きな俺はあまり興味がなかったけど、なるほど、会うと不思議と惹き込まれる。
あんまり脅かしても可哀想だからそっと隅で雨宿りをさせてもらおう。
…と、俺が腰を下ろしたとどちらが早いか。
A「痛っったい！」
と、洞穴に彼女の嬌声が木霊した。
驚いた俺は一瞬防御姿勢をとったが、そんな俺を見て更に驚いたのは彼女だった。
A「あっ…あ、ゆ、ゆご…」
優吾「そう、優吾。だから落ち着いて、な？」
わなわなと震え、目が泳ぐ彼女。
無理もない。痛い上に知らない人がいたのだから。
…ん？なんで名前知ってたんだ。
____キュキュ…
不思議に思っていると、俺たちの足元からか細い鳴き声が聞こえた。
優吾「お前か…付いてきちゃダメだろ？」
仲間の一匹がこっそり俺に付いてきたらしく、隣で休んでいた所に彼女が手をついてしまったのだろう。
優吾「あの、ごめん。本当に…怪我はしてない？」
A「大丈夫、です。…こちらこそ、ごめんなさい。その子大丈夫？」
俺の手に収まる彼に触れようと手を伸ばすと、再び針を立てる。
優吾「ごめん、こいつら臆病でさ。慣れたら撫でさせてくれるようになるから」
A「ん、大丈夫。…怖いよね、知らない人。ごめんね」
彼の鼻先と、彼女の白い指がチョンと触れる。
優しい手つきに、彼も針を仕舞った。
興味なかったはずなのに。
俺はもう彼女から目が離せなくなっていた。
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無愛想店員。(プロフ) - ayu121713さん» コメントありがとうございます。有難いお言葉を頂けてとても嬉しいです。これからは定期的に更新しますので、どうかお付き合い頂けますようお願いします。 (2020年2月24日 1時) (
レス) id: 2ac334e3af (このIDを非表示/違反報告)
ayu121713(プロフ) - この小説が大好きで何回も読み返してます！続きがすごく読みたいです(T_T) (2020年2月23日 0時) (レス) id: 04f206d509 (このIDを非表示/違反報告)
無愛想店員。(プロフ) - mihoさん» コメントありがとうございます。そんな風に言って頂けてとても光栄です。これからも楽しく読んで頂けるよう尽力致します。 (2020年1月7日 19時) (レス) id: 7206783c4e (このIDを非表示/違反報告)
miho(プロフ) - コメント失礼します！この作品にはすごく大好きです！更新頑張ってくださいね！応援しています！ (2020年1月7日 18時) (レス) id: ab8effb0a8 (このIDを非表示/違反報告)
無愛想店員。 - ひめくんさん» ありがとうございます。コメントを頂けると大変励みになります。これからも楽しく読んで頂いたら幸いです。 (2019年6月9日 17時) (レス) id: 8aa59ae23f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無愛想店員。 | 作成日時：2019年5月27日 22時
