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こたきくんかぁ。
授業が終わり、キャンパス内のコンビニでジュースを手に取りながらボーッと考える。
平仮名で書いていたから、どんな字なのか
そして下の名前はなんなのか。
気になっている割には、あまりにも情報が足りなさすぎた。
けど、もし仮にあんなイケメンが私の運命の人だとしたら…
なんて考えれば考えるほど、胸の高鳴りと申し訳なさが体の中でぐちゃぐちゃに混ざる。
こたきくんはプリントに名前を書いてしばらくしてから寝てしまっていたため、ロクに話をすることもできなかった。
もう少し話ができたらな、なんて勝手な後悔だって生まれちゃって。
まだ運命の人だなんて誰も言っていないしわからないのに、どんどん膨らむ妄想が止められずにいる。
バカだなぁと思いながらレモン味の炭酸飲料を持って振り返ると、トンッと誰かにぶつかった。
「っすみません」
慌てて謝りながらぶつかった相手を見ると、どうやら男の子らしく、目線を上にズラさないと顔がよく見えない。
「…あっ、さーせんした、」
今時の若い子特有のラフな感じで、少しだけ頭を下げながら彼も私に向かって謝った。
そして少し間があってから彼は顔だけ後ろに向けて
「おーい、のんちゃーん、どれがええねん」
と、友達らしき人に向かって少し大きめの声をあげた。
さっきとは違い、少し特徴的な声。
「さっき言うたやん、俺紙パックのやつがええって」
恐らくのんちゃんと呼ばれる人の声がして、引きずるような足音と共にこちらへと近付いてくる。
「「あっ」」
スマホを片手に目の前に現れた男の子を見て思わず声を出し、向こうも同じような反応をした。
目の前にいたのは、
さっきのこたきくんだった。
「ん?お前ら、知り合い?」
不思議そうな目で私とこたきくんを交互に見る。
「さっきの授業で一緒やってん、な?」
「う、うん!」
少し口角を上げて目を細める顔も、抜群にイケメンで反応に困ってしまう。
「あ、こいつがさっき言うてた寝坊助野郎。」
ボーダーのシャツを着た男の子を、呆れたようにこたきくんは指をさしながら説明してくれた。
「寝坊助ってお前失礼やなぁ」
「ほんまのことやん」
「お寝坊さんのシゲって呼んであげて」
くしゃっとした笑顔で、こたきくんは私の肩をトントンと叩いた。
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作者名:ゆこ | 作成日時:2017年6月21日 18時