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36話 ページ41

安保「A!」


圭太の声を無視していると、思いっきり腕を引っ張られる。

「……なに」


顔を見ると泣いちゃうような気がするから下を向く。

安保「ずっと思ってたんだけどさ、いつまでそんな抱え込む気だよ!
いつまでそんな辛い思いするんだよ!」

「辛くなんてないよ?」

安保「嘘だ!」


大声をあげて、私の言葉を否定する圭太。

安保「気づかないわけない…いつだって辛そうな顔するじゃんか。」

「じゃあどうすればいいの…」

初めて、私の事で 弱音を吐いた。
もう無理だった。
圭太だけには 嘘はつけない

安保「そんなん…頼ればいいじゃん。
お前って青島に似てるよな。」

「…なにそれ」

安保「いつも1人で抱え込むからさ。
俺たち、Aのおかげで前に進めたけど Aも前に進んだほうがいい」


.難しいことをいうんだから…

「無理だよ。無理なの。辛いんだよ…トランペットを吹くのが」

安保「だからそれは!」

「安保ちゃん!!」


圭太…いや、安保ちゃんはハッとしてこっちを見た。

安保ちゃん…この呼び方は私が中学の頃に呼んでいたあだ名。
あの事件から 安保ちゃんと関わるのもやめて、話す時はいつの間にか…安保って呼んでた。

「泣きたいの。でも無理なの。ダメだって言われたから。でも無理なんだ…
泣かないと壊れちゃう。私の意思でまたトランペットを始めたけど…
泣かないと、どこかにぶつけないと、もう吹けなくなる」


そう言うと安保ちゃんは私を抱きしめた

安保「泣けばいいよ。俺だって泣きたい時はあるよ、そんなん皆同じだろ。
俺はAのこと中学の時から知ってるんだから、俺の前で涙を堪えたりするな」

「安保ちゃん…」

もう無理だった。
涙が溢れた。止まらない。

「うぅ……」

安保「あとさ、これからも安保ちゃんって呼んでくんないかな?
そっちの方がいい」


私は何度も頷いた。


「安保ちゃんが幼なじみでよかった。」


安保「俺も今、同じこと思ってた。」



.



二人して、笑いあった

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ひらの の ばなな(プロフ) - おはなちゃんさん» いえいえ!そうです(笑)知ってて頂けてもの凄く嬉しいしぃぃぃ!(笑)私も裕人好きなので裕人mainの小説読みまくってておはなちゃんの作品に辿りついて(笑)何気に裕人の小説少ないのが悲しい(泣) (2016年8月11日 23時) (レス) id: 80a1db672d (このIDを非表示/違反報告)
おはなちゃん(プロフ) - 蜜蜂蟻さん» 私も裕人大好きです!!ありがとうございます!! (2016年8月11日 23時) (レス) id: dddccbb31a (このIDを非表示/違反報告)
おはなちゃん(プロフ) - ひらの の ばななさん» ありがとうございます!!もしかして、KING&QUEEN&JOKERの作者様ですか??そう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2016年8月11日 23時) (レス) id: dddccbb31a (このIDを非表示/違反報告)
おはなちゃん(プロフ) - 七海(´'∀'`)さん» ありがとうございます!!!そうなんですか!めっちゃ悔しいですよね。お疲れ様です!! (2016年8月11日 23時) (レス) id: dddccbb31a (このIDを非表示/違反報告)
おはなちゃん(プロフ) - くらやすん。さん» 裕人くん本当かっこいいですよね笑 もっときゅんきゅん目指して頑張ります!ありがとうございます! (2016年8月11日 23時) (レス) id: dddccbb31a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おはなちゃん | 作成日時:2016年8月6日 22時

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