第六話 ページ7
鉄郎「母さんは——母さんは本当に父さんの事好きなの？」
俺は無邪気に母さんに聞いてみた。
そしたら母さんは笑って
母「なに？疑うの？私の愛は本物よ‼」
母「あなた、だぁいすき♡」
父「俺も大好きだ♡」
母「もう〜」
母さんは照れることなく、父さんが好きなことを言った。
その頃の俺は無邪気にいいなと思った。
母「てかそろそろ寝る時間よ？鉄郎はもう歯みがいたの？」
もうすぐに９時になる。その頃の俺の就寝時間。
鉄郎「うん‼もうみがいたよ‼」
父「えらいじゃないか〜‼じゃあ久しぶりにお父さんが絵本を読んでやろう‼」
鉄郎「父さんよりも母さんがいい」
父「ガーン」
母「もう(笑」
この頃はではまだ普通の家族のようだった。
——————そう家族のようだった。
鉄郎「んっ、(ぱちっ」
鉄郎(もう朝？)
鉄郎(まだ、11時だ……変な時間におきちゃった……)
俺は母さんに絵本を読んでもらい、すぐに寝たが、その日だけはなぜが二時間後の11時に起きてしまった。
鉄郎(トイレ行こっ………)
俺はトイレに行くために少しだけ扉を開けた。そしたらこんな声が聞こえた。
母「——————————————————ねえ、もうそろそろ終わりにしません？」
母「この�牴搬欧瓦辰貝�を」
母さんは続けて言った。
母「私たちの結婚は親が決めたこと。愛情なんかない。」
母「そう、自分の子供にもね。」
母「とくに——————
俺はこの言葉を聞いた瞬間、何が起こったのか理解することが出来なかった。
話が難しすぎて、何を言っているのか理解できなかったのもあるが、俺が俺が、
母さんに愛されてなかった
その事実をその時の俺は理解することが出来なかった。
父「——————そうだな」
父「そろそろこの家族ごっこもやめるか」
父さんも同じような事を言い出す。
母「私は姉二人を」
父「俺は鉄郎を引き取ろう。」
母「じゃぁ手続きし始めるわ」
父「あぁ、よろしくな」
父さんと母さんにとってはどうでもいい会話なのだろう。
しかし、俺にとっては途轍もない話で、途轍もなく———————
鉄郎(えっ？嘘だったの？家族はごっこ遊びだったの？)
鉄郎(俺に愛情はなかったの？)
嘘 家族の脆さ 俺は愛情をもって育てられてなかった事
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作者名：為月 | 作成日時：2024年3月12日 21時
