【H×H】なくしたものは探しもの (ページ9)

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No.008 一次試験終了ページ9

「･･･風に考えたの･･･な」
聞いたことの無い声だ
一瞬女性かと思ったが男性だと言われても決して違和感のない中性的な声だ
重たい瞼を開くとまるで乗り物にでも乗っているかのように景色が過ぎ去って行る
『私は･･･』
自分でも驚く程に小さく掠れた声だった
「気がついた！大丈夫？A」
今度は聞いたことのある声だ
『ゴン･･･？』
私はゴンにおぶられていた
「A気絶したたんだよ」
『そうだったんだ･･･』
目が覚めたばかりで記憶が曖昧だ
『ところで貴方は？』
ゴンの隣には綺麗な金色の髪を肩ほどまで伸ばし大きな瞳をした男性？女性？が居た
「私の名はクラピカ、君のことはゴンから聞かせてもらった」
『よろしくね、クラピカ』
「ああ、よろしく」
その時だった
痛みがまるで思い出したかのように再び私の身体を走り回った
思わず『うっ』と呻き声を上げてしまったが体が慣れたのか先程に比べればまだましで我慢できる程度の痛みだった
「大丈夫？」
ゴンが心配そうな顔でこちらを振り向く
『大丈夫だよ』
私はそれに笑顔で返した

しばらくすると霧が晴れ中から唸り声がする体育館のような建物のある公園が見えてきた
そこには何人もの受験者たちが集まっている
「あそこだ！」
「どうやら間に合ったようだな」
『間に合って良かったね』
「ああ、だが本当に大丈夫なのか？」
私は途中からゴンの背中を降り自らの足で湿原を走っていた
『うん！もう平気』
痛みは石を投げ入れられた水面のように最初こそ激しく波打っていたが徐々に引いていき今ではほとんど痛みを感じない
むしろ体の調子が良いくらいだ
一体これは何なんだろう

その後ゴン達の仲間のレオリオと合流し互いに軽く自己紹介をし長かった一次試験は終わりを告げた