水柱と炎柱と霞柱と情柱 2

霞が晴れる ページ25

〜Aside〜





元の空間に戻り



私は少しずつ、少しずつ



自分が記憶を思い出していくのを感じていた



今までの事から、私が思い出している人は



・炭治郎 ・善逸 ・伊之助 ・アオイちゃん

・なほちゃん ・きよちゃん ・すみちゃん

・蜜璃ちゃん ・しのぶちゃん ・義勇



の9人だ



しかし、こんなに思い出しているのに



頭のモヤはまだ完全には晴れていなかった



だいぶ思い出した気がするんだけどなぁ…



ふと、足元を見る



「…あれ？こんなに生えてたっけ」



前よりも、生えている草花が増えている気がする



生えている面積も広がっているような…



「まぁ、綺麗だから別にいいけどね」



ふふっ と、1人笑う



ゴロンと地面に寝転がる



草花の、いい匂いがした




・




そのまま、しばらくの間



地面に寝っ転がっていると



光る球から、声が聞こえた



「あれ、なんか、今回来るの早くね…？」



前まで結構時間経ってから起きたんだけどな…



でも、記憶を思い出すチャンスだ



立ち上がり、球に近づく



？「ｽﾞｽﾞ……A、今日は折り×を持ってきたんだ。



前に、鶴を千羽折ると怪我が治るって、言っ××でし×？



だから、早く起きてね、A」



私より、1.2歳くらい年下の男の子の声が聞こえる



映像が流れ始め



その声の持ち主が見えた



艶やかな黒髪に毛先が青緑の髪で



腰ほどにまで伸びている



顔は中性的で、女の子のようにも見えた



「…悲しそうな顔」



ベットに座り1人せっせと折り紙を折っている



男の子の顔はとても悲しそうで



見ていると心が苦しくなった



すると、男の子が折っていた折り紙を置き



私の手を握った



優しく、壊れ物を扱うように



？「………暖かい」



その声がとても切なげで



青緑色の綺麗な瞳が悲しそうで



…今にも、泣き出してしまいそうで



「…また、」



触れたい



そう思った



「無一郎…」



自然とその名前が頭に浮かんだ



なんだか、前よりも記憶を思い出すスピードが速くなっている気がする



義勇の時みたいに、そちらの世界に行きたくて



そっと、球に手を添えた



球は眩く光り、私を包み込んだ







・

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