水と兎 弐 ページ24
〜Aside〜
『ここは…』
私を包んでいた光が消え、
周りが見えるようになる
ツンとくる、消毒液の匂い
周りに照明になるものはなく、月の光が
私達を照らしていた
『………』
目の前には、泣いている男の人
そして、
眠り続ける“ 私 ”がいた
どうしてこうなったのか、わからないけれど
私はそっと、手を伸ばす
しかし、手は彼の羽織を掴むことはなく
スゥ…と、彼の身体を抜けた
『………』
これは俗に言う、幽体離脱
なのだろうか
私は、彼の横に行き、顔を見る
『………』
目にいっぱいの涙を浮かべ、
嗚咽を漏らさぬように、唇を必死に噛んで
ポロポロと涙を流す男がそこにはいた
『…あぁ』
懐かしい
無意識に、そう思ってしまった
私はこの男の、この顔を前にも見たことがある
『…全く、まだまだ子供だね。義勇』
届くはずのない言葉を彼に言う
『…私、思い出したよ。義勇のこと、錆兎のこと』
私の大切な兄弟子達
この義勇の泣き顔
昔と変わってないじゃない
よく、義勇が泣くと
私と錆兎が慰めたっけ…
………そうか
最終選別のあの日、私言ったね
『私は、いないならないよ』って
だから義勇は
“ いなくならないで ”
って、言ったんだね
『もぅ、馬鹿だなぁ』
ポロポロと、私の目からも涙が溢れる
その涙は、床に落ちる前に ｽｩ と消えていった
『離れるわけないでしょ。義勇』
涙を流し続ける義勇の頬に手を添える
もちろん、掴むことはできない
義勇の体温も感じられなかった
流れる涙を、拭うことができないのに
私は、必死に拭う動作をする
『私、早く記憶思い出すから。
それまで、待ってて、義勇
絶対に、帰ってくるから』
自身の身体が眩く光り出す
『ごめんね、義勇…もう時間みたい』
義勇は未だに涙を流している
私も、身体がだんだんと消えていっているのに
それに構わず、拭い続けた
身体が完全に消える直前
『またね、義勇』
そう言い残し、私は元の空間へと戻って行った
…見間違いかもしれないけど
消える直前
義勇がとても驚いたような顔をして
こちらを見ていたような気がする
もし、私の言葉が届いていたのだったら
「いいなぁ…」
すぐに戻るからね、義勇
・
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雨月064五月病(プロフ) - するめさん» 返信遅れてしまい、申し訳ないです…！(汗)投票はもう終了してしまいまして…ごめんなさぁぁぁぁぁい！でも、投票嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年11月18日 17時) (
レス) id: 6e8965f00b (このIDを非表示/違反報告)
雨月064五月病(プロフ) - もっぴいさん» 感想めっちゃうれしいです…！(嬉し泣)それから、アンケートの投票はもう終了してしまいまして…ごめんなさい！でも、投票してくれて嬉しいです！これからも、よろしくお願いします！ (2019年11月18日 17時) (レス) id: 6e8965f00b (このIDを非表示/違反報告)
もっぴい - 煉獄さん死んでない!!作者さんありがとう!あ、あとさねみんやさしい!むいくんかわいい!原作で煉獄さんが生きててくれたら泣いて喜ぶんですけどねー。 (2019年11月18日 7時) (レス) id: 1e3d085ec9 (このIDを非表示/違反報告)
もっぴい - 煉獄さんがいいです! (2019年11月18日 5時) (レス) id: 1e3d085ec9 (このIDを非表示/違反報告)
するめ - お…おお。争ってますな…。じゃ2のむいちろーくんで← (2019年11月17日 13時) (レス) id: 05b6b39f74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨月064五月病 | 作成日時：2019年10月14日 11時
