【文スト】生まれ変わって、これからも【太宰治】

高校生活九十六日目 ページ15

中也side


今、非常に面倒臭ェことに付き合わされている


貴「治のカッコよさって昔っから変わってないよねー。ホントに他の男なんて比べ物にならないくらい好き。今日もさあ────」


それは此奴らの惚気話だ


何が悲しくて好きなやつから他のやつの惚気話を聞かされなきゃなんねェんだよ。襲うぞ

なんて、云えるはずもなく、俺は珈琲片手に聞き流していた


此奴ら、休憩時間に会いに行くことよりも他人に惚気話を聞かせる時の方が多いって何事だよ

太宰から惚気話聞かされてる国木田なんてもう目も当てられない顔してたぞ


俺は飲み干した缶珈琲を潰して、話を遮るように質問した



中「で、手前らはまた心中でもすんのか？
この糞平和なご時世でそんなことしたら問題になりかねねェぞ」


この質問に、Aは目を見開いたあと優しく笑った


貴「ううん、次は私の願いを聞いてもらう番だから。今度は結婚もして子供も産んで…

最後は一緒に寿命尽きるまで生きようって約束したよ」


中「ハッ。今度は死ぬまで手前らの惚気に付き合わされんのかよ」


貴「末永く宜しくねー」


中「宜しくしたくねェ…」


机に顔を伏せて溜息をつく
こんな面倒臭ェもんを生涯知り合いとして抱えてなきゃいけねェとかどんな地獄だよ


中「…もし嫌なことがあったら何時でも俺ンとこ来いよ。太宰に愛想尽かしたらそん時は俺が貰ってやるから」


諦めきれない俺も俺だが、ほんの僅かな奇跡を信じてそんなことを云ってみる
Aの顔は恥ずかしくて見ることは出来なかったが、しばらくして


貴「ありがとう」


と、云われたことは少し嬉しかった


ーーーーー
貴方side


それから私達は互いの両親に付き合っていることを報告した


どちらの両親もすごく喜んでくれて、その夜は私たちを祝う小さなパーティが開かれた

とっても楽しかったし、なにより治が側に居るという事実がとても嬉しかった


その夜、両親達の提案で私は治の部屋で寝ることになった


どちらの両親も恋人同士の男女を一つ屋根の下に置く危険性を把握してないらしい

そして私達はそれをいいことに危険な方向へ足を踏み入れ始めた


元マフィアだもん。少しくらい危ないことしてもいいよね…？


貴「ね、治。大好き、愛してるよ」

太「ふふ、私もだよ」

胸焼けするくらい甘ったるい恋愛はこの世界では後90年も出来やしない

そんなの嫌だ。まだ満足出来てない


だから、ほら約束しよう




『来世もその次もまた一緒に…』

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