…二十七 ページ27
朝
憎らしい程晴れ晴れとした空を見上げながら、疲れた目をこする
この空を見る度に、私はよくコネシマのことを思い出す
子供の時から、ずっと追いかけていた背中は、いつも快晴の元で輝いていたから
しかし、それも昔の話
もう君を追いかけることも出来ない
私は、他人のものになるのだから
ゆっくりと空から目をそらし、反対側を見ると、今まで指導して下さったメイド達がとてもいい笑顔でこちらを見ていた
「A様。今日までお疲れ様でした
本日は、予定通りA様を我が国へと案内させていただきます
準備が出来次第、すぐに出発致しますので、お仲間方へ最後のご挨拶を済ませておいてください」
彼女達は、丁寧なお辞儀をして部屋を出た
そう、今日はこの城を出る日
かつて共に戦った仲間達と、完全に離れてしまう日
しかし、この運命は変えられない
どう足掻こうとも、私はこの国の駒のひとつでしかないのだから
私は、ベッドから起き上がり、服を着替える
少し前までは、スカートすら履いたことがなかったのに、今ではドレスを着ることに抵抗がなくなった
そう思うと同時に、ショッピ君が私へ買ってくれた沢山の洋服の数々を思い出す
隣国の城へ行ってしまえば、それこそあの洋服たちは意味をなさない飾りとなってしまうだろう
それでも、私は1着も捨てることが出来なかった
とうとう、最後まで捨てられなくて、荷物の大半が服で埋め尽くされていた
そんな中、私は荷物の中から、ひとつの写真を取り出した
私と、コネシマが写った写真である
今は敵となってしまった彼だが、この日の彼のことは、今も鮮明に目の裏に焼き付いていた
私はショッピ君に貰った洋服以上に、この写真を捨てられない
早々と、消してしまわなければなかったハズの思い出を、私の人生を狂わせた彼との記憶を、私は何よりも大切に持っている
ああ、なんて、滑稽なことだろう
自嘲しても、私はやっぱりこの写真を手放せない
何よりも大切に、大切に、キャリーバッグに仕舞う
そうして、荷物の整理を終えると、私は久々に仲間の元へと足を向けた
兵士の頃のような豪快な歩き方ではなく、美しく高貴を思わせる歩き方
こんな風に今城を歩いているだなんて、過去の私が見れば、きっと笑うに違いない
ああ、もしかしたら、悲しそうに顔を歪ませるかもしれないな
昔の自分は特別泣き虫だったから
私は、少し自嘲を含んた笑みを零して、仲間の元へと急いだ
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レイン(プロフ) - 満那乃さん» ありがとうございます！せ、先輩落ち…メンバーではないのでちょっと難しいですね（汗）ロボロは私の力量不足で書けないので、これに関しては本当に申し訳ないです…でも、エミさんとショッピくんに関しては、頑張れば書けるかもです！更新頑張りますね！！ (2018年7月14日 23時) (
レス) id: 61ce060edd (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 卯月さん» お待たせ致しました、コネシマです！流石にわかりきった展開でしたが、とても楽しんでいただけているようでなによりです。更新頑張ります！ (2018年7月10日 21時) (レス) id: 61ce060edd (このIDを非表示/違反報告)
卯月 - ぎゃああああああ！！！え？絶対シッマだよね！？え？しんどい.....展開すこ.....来ると思ってたけど、鳥肌立ったわ.......あ、いきなりすいませ〜ん。続き楽しみに待ってます！！ (2018年7月10日 21時) (レス) id: e6c3e89a34 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - うたさん» ありがとうございます！言葉選びには結構こだわっているところもありますので、文章が綺麗と言っていただけたのはとても嬉しいです。更新頑張りますね！ (2018年7月8日 10時) (レス) id: 61ce060edd (このIDを非表示/違反報告)
うた(プロフ) - こんばんは、初めてコメント失礼します。前々から作品を読ませて頂いているのですが、やはりとても文章が綺麗で引き込まれます...！これからも更新楽しみにお待ちしております！！ (2018年7月7日 23時) (レス) id: 8e60c95a83 (このIDを非表示/違反報告)
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