…二十三 ページ23
そこからは、体感にしておよそ5分
俺は確かに最大限の力をもって相手に立ち向かった
しかし、その差は無慈悲な程に圧倒的で
気がつけば、俺は剣を手放して地に転がっていた
「怒りに任せて戦うのは、リスクが大きいからやめといた方がええで」
全く疲れた様子もない彼は、俺の剣を手に取って呟いた
まるで敵とみなされていないその余裕ぶりに、俺は更に先程までの怒りとは別の怒りを感じ、歯を鳴らす
「…で、何が聞きたいんや」
彼の一言に、俺はパッと顔を上げた
まるで、全てを見透かしているかのような口ぶりに、俺は微かに恐怖を覚えた
「なんで、分かるんかって顔しとるな
ま、それは簡単なことや。前に城下町でお前らにあった時と、今回のことで、お前がAに恋してることを確信してたからな
後は、何も知らんお前が好きなやつのために動くとしたら…
普通に考えて俺のところに来るやろうなって思っただけや」
話終えると同時に、彼は俺の手の届く距離に俺の剣を捨てた
そうして、未だ地に伏せる俺の目の前に座ると、俺の方を見て安心したかのように笑った
「ありがとうな」
「…なにがですか」
「Aのこと、支えてくれてたんやろ？」
「…当たり前じゃないですか。アンタのように、俺はAさんのそばを離れるつもりなんてありませんからね」
「ああ…せやな」
彼はついに黙り込んだ
まるで、何かを深く考え込んでいるかのようなその姿に、俺は次第にイライラしてきて、遂に声を荒らげた
「そんなに辛いなら、国から出なければよかったじゃないですか！
そうすれば、Aさんだって、泣くことはなかったし、アンタだって悩むこともなかったはずでしょう？！
なのに…なんで、アンタはAさんを捨てたんですか…」
それは、今俺が抱える一番の疑問であった
二人ともこんなに長い時間を離れて過ごしておいて、結局自分なんかが入る隙さえ与えてくれないほど互いに愛し合っているのに、何故彼は突如としてその姿を消したのか
そうして、また何故今更彼は姿を見せたのか
目の前で黙り込む彼は、俺の疑問に対してぐぐもった声で唸ると、やっと口を開いた
「…それは、今は言えん」
「どうしてですか」
「他人のお前にそれを言う必要は無いやろ」
それだけを吐き捨てると、彼は俺に背を向け、そのまま歩き去ってしまった
残された俺は1人、自分の弱さと、終始悲しそうに歪められていた彼の顔に、怒りを募らせていた
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レイン(プロフ) - 満那乃さん» ありがとうございます！せ、先輩落ち…メンバーではないのでちょっと難しいですね（汗）ロボロは私の力量不足で書けないので、これに関しては本当に申し訳ないです…でも、エミさんとショッピくんに関しては、頑張れば書けるかもです！更新頑張りますね！！ (2018年7月14日 23時) (
レス) id: 61ce060edd (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 卯月さん» お待たせ致しました、コネシマです！流石にわかりきった展開でしたが、とても楽しんでいただけているようでなによりです。更新頑張ります！ (2018年7月10日 21時) (レス) id: 61ce060edd (このIDを非表示/違反報告)
卯月 - ぎゃああああああ！！！え？絶対シッマだよね！？え？しんどい.....展開すこ.....来ると思ってたけど、鳥肌立ったわ.......あ、いきなりすいませ〜ん。続き楽しみに待ってます！！ (2018年7月10日 21時) (レス) id: e6c3e89a34 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - うたさん» ありがとうございます！言葉選びには結構こだわっているところもありますので、文章が綺麗と言っていただけたのはとても嬉しいです。更新頑張りますね！ (2018年7月8日 10時) (レス) id: 61ce060edd (このIDを非表示/違反報告)
うた(プロフ) - こんばんは、初めてコメント失礼します。前々から作品を読ませて頂いているのですが、やはりとても文章が綺麗で引き込まれます...！これからも更新楽しみにお待ちしております！！ (2018年7月7日 23時) (レス) id: 8e60c95a83 (このIDを非表示/違反報告)
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