【wrwrd!】パパと皆【tn】 (ページ6)

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あの後、しばらくグルッペンやオスマンと遊んでから、Aと俺は部屋を出た

ここに来た時とは比にならない笑顔でAは飛ぶように歩く
その姿が、なんとも愛らしくて、引かれる手を少し強く握った

グルッペンやオスマンがAと遊んでいた時もそうだったが、自然と周りを和ませる力が子供にはあるらしい

それがこんなところでも通用するなんて、俺も少し予想外だ

しかし、最近それぞれ仕事で忙しく会うことも少なくなっていた仲間たちが笑い合っているのは嬉しいことである

そうしているうちに、Aはとある部屋の前で足を止めた
ドアノブにかかったペンギンのキーホルダーを見て指を指す

「パパ！見て見て！ぺんぎんさん！
ここがえーみーるさんの部屋？」

「うん。ここがエーミールさんの部屋やで
ようわかったなあ」

えらいえらい、と頭を撫でると、Aは微笑み言った

「えーみーるさんがね、どあの開けるところにぺんぎんさんがいる部屋が私の部屋だよって教えてくれたの！」

自慢げに胸をはるAは、ドアノブを開けて、中に入る
俺も続けて中に入れば、エーミールは机でいくつかの子供向けの本を広げて待っていた

「えーみーるさん！来たよー！」

「いらっしゃい、Aさん」

Aは俺の手を離れ、エーミールに抱きつく
それに応えるように、エーミールも抱き締め返していた

それが何故か少し寂しくて、俺は目線をずらした

しかし、間もなくしてAは戻ってきて、再び俺の手を握った
向こうでエーミールがニヤニヤしているのが、かなりムカつくが、俺は話が進まないと思い飲み込んだ

「で、エミさんとの約束は…
予想はついてたけど勉強教えてくれるみたいやな」

「そうですね。Aさんはまだ子供ですから」

Aを連れて、机の近くまで行くと、子供用の本に混じり、いくつかワークがあるのが見えた

なんでこんなに多く子供向けの本を持っていたのかは謎だが、今は感謝するしかないだろう

「A、しばらくここでエーミールさんと勉強しよな」

「うん！勉強する！」

元気な返事とともに、俺の手を離して席につくと、早速いくつかの本を広げた

そして勉強を始めた2人を眺めながら、俺はパソコンを開き、また淡々と仕事をし始めた