【wrwrd!】パパと皆【tn】 (ページ4)

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その後、グルッペンの計らいで、幹部全員を会議室に呼び出し、少女は紹介された

皆一様にその少女に興味を抱き、しばらくは質問が絶えなかった

その中でも、まず最初に出た質問は少女の名前についてのことだった

その質問が出た時、俺はそう言えば彼女の名前を聞いたことがなかったことを思い出す

まさかこうして共に過ごすことになろうとは思ってもなかった為、深く関係を持つのは避けようと、名前を聞いていなかったのだ

すると、少女は多くの大人に囲まれているからか怯えながらもしっかりとその質問に答えた

「私の名前は、Aです！
もうすぐ、8歳です！」

元気よくそう言うと、手で8を表すために片手をパーに、もう片方は3つの指を立てた

その行動に、何人かの幹部は口元を抑える
その1人に、俺も含まれているのだが。

幼いというのは、なんて恐ろしいのだろうか
思わず抱きしめたくなる衝動を、片隅に残る理性で押しとどめた

「こんな幼い子を城に住まわせるなんて危ない気もするけど、トントンが連れてきたんなら文句はないわ
Aちゃん、後で一緒におやつ食べよーなー」

「やったー！」

オスマンの誘いを受けて、Aが俺の手を離してオスマンに飛びついた
お菓子で釣るなんていかにもオスマンらしい

しかし、俺はそれよりも、彼女が自分から初めて離れたことに驚いていた

これならば、お菓子を使えば自分から離れさせることも可能なのではないかと考えもしたが
先程までと違い、グルッペンからの許可を貰ってからAと離れたくないという気持ちが高まっていた為、その考えは一瞬で頭から消えた

しばらくして、オスマンとの話が終わったのか、Aが小さくオスマンに手を振って俺の方へと駆け寄ってきた

どうやら、まだ俺から完全には離れてくれないらしい

その事が、心做しか嬉しくてたまらなかった

「パパ、私ねおすまんさんとケーキ食べる約束したの！
だからね、パパも一緒に食べよ？」

首をこてんと傾けて、Aは言った

当然、俺はそんな可愛らしいお誘いを断れるはずもなく

「せやな。一緒に食べよーな」

と返事をすれば、Aは幸せそうに笑った