【wrwrd!】パパと皆【tn】 (ページ21)

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ねつページ21

その日、Aは珍しく元気がなかった

トントンの布団からいつも通りに目を覚まして立ち上がるも、どうも体が重たい

目の前はぼやけて、足元はおぼつかない

歩くのも怖くって、Aはぎゅっと豚のぬいぐるみを抱きしめた

すると、Aの異変にいち早く気づいたトントンは、不安げに声をかけた

「どうしたんや、A」

彼女はまだどこか、自分の意見を言わないところがある
その事をトントンはよく知っていた

子供なのに、大人のようにしっかりとしている子だ
きっと迷惑をかけまいと押し黙っているのだろう

もっと甘えて欲しいものだが…と思うも、彼女と出会ったあの日を思い出すと、トントンは何も言うことが出来なかった

「パパ。頭痛い」

しばらくして口からこぼれでた言葉に、トントンは直ぐに焦った表情で彼女の額に手を当てた

手のひらに伝わる熱は、かなり高い
顔も少し赤いようだ

それを確認すると、彼は直ぐにAを抱えて医務室へと走った

「ペ神！！！！」

まだ静かな朝に響くトントンの大声と共に、医務室の扉が勢いよく開いた
そのため、デスクワークを処理していたしんぺい神はいきなりのことに「わっ」と声を上げて扉へと目をやった

トントンは驚くしんぺい神を他所に、ずかずかと歩み寄ると、かなり焦った様子でAを下ろした

「ど、どうしたの」

「ペ神！Aが、Aが熱あるみたいなんやけど！」

焦って上手く状況説明出来ていないトントンに、しんぺい神はちらりとAに視線を向けて冷静に納得をした

「まあまあ、落ち着いて。取り敢えず熱があるってことで診察始めるから」

しんぺい神によって冷静を取り戻してきたトントンはここまでの自分の焦りようがなんだか恥ずかしく思えてきて、絞り出すような声で「お願いします」とだけ言った

「よぉし。じゃあ診察始めるね」

熱のせいで少し辛そうな表情を浮かべるAを椅子へ座らせて、しんぺい神は診察を開始した