【wrwrd!】パパと皆【tn】 (ページ16)

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おでかけ！ページ16

次の日、俺は仕事を片付けながら、目の前のソファでエミさんから借りた絵本を読んでいるAを見て頭を抱えた

彼女が今身につけているもの
それは、昨日着ていたものだった

しかも、それは既に遠征で出会った時から何度も何度も着ているもの
本人は気にしていないようではあるが、女の子なのだから服を着替えられないというのはかなり酷なのではないかと感じていた

そこで、彼は彼女と共に買い出しに行くことを考えたが、残念なことに遠征帰りの彼ではまともに彼女の相手をしている暇など無いに等しい

昨日は、結局彼女を解けないまま朝までぐっすり眠りについてしまったのである
その事が更にトントンを追い詰めていた

「A」

名前を呼ぶ声に、Aはトントンの元へ駆け寄った

「なあに？パパ」

「Aにな、お買い物に行ってほしいねん」

「お買い物？」

「そうや」

Aは少し考えるように黙り込んだが、すぐに笑顔になって頷いた

「うん。私お買い物行くよ！」

「そうかそうか！ありがとうなあ」

キャッキャとはしゃぐAを見て、俺はとある人物へ連絡を繋げる

Aはもしかすると俺と行くと思っているのかもしれないが、残念ながらそれは出来ないので、かわりにAの買い物に付き合ってくれる暇な者を呼び出さなくてはならないのである

「もしもし、ゾム？」

「ん、なんや？トントン」

そうしてトントンが頼みにしたのは、午後から休みであったはずのゾムであった

「ゾムってさ、今日は午後から休みやったやろ？」

「まあ、せやけど。どうしたん？」

「いや、ちょっとAと買い出しに行って欲しくてやな」

事情をかいつまんで説明すれば、ゾムから納得したような返事が聞こえた

「あーな。まあ、暇やしええで」

「すまん。それじゃあ、昼食終わりに食堂でそのまま引き渡すわ」

「了解」

トントンは、通話を切るとすぐにAに向き合った
ゾムと買い出しに行かせることが決まれば、後はAに説明をするのみである

ここまで俺に執着するAをうまく説得できるかどうか…
募る不安を深呼吸で和らげ、トントンはAに買い出しについての説明を始めた