【wrwrd!】パパと皆【tn】 (ページ2)

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「説明が欲しいな…」

そんな中で、唯一冷静だったのが、総統閣下…グルッペンであった

彼は少し考え込んだあと、少女と目線を合わせるためにその場にしゃがんで、比較的優しい声色で少女に聞いた

「どうしてここに来たんだ？」

少女は、トントンの後ろに身を隠し、少し怯えていたようだったが、すぐにその顔をのぞかせて小さな声で質問に答えた

「…パパが」

「パパ？」

グルッペンは予想だにしなかった少女の答えに、思わず聞き返した
しかし、それは彼だけでなく、この場にいた大先生とシャオロンも頭を傾げた

パパとは、一体どういう意味なのか

すると、トントンが少女の答えに補足を入れるようにして話を始めた

「あー、そのー。…この子なあ、俺がついこの間まで行ってた視察先で見つけた子供なんやけど、何を勘違いしてるのか俺のことを父親やと思ってるみたいなんよ…

えーと、つまり“パパ”ってのは俺のことやな」

トントンは、疲れた表情の中にどこか嬉しさを感じさせる顔でそう言い、少女はそんなトントンを心配そうに見つめていた

しかし、そんなことは彼らにはどうでもよかった

大切なのはそう、今しがた落とされたトントンが“パパ”と称されている事実であった

「「「はぁあああああああ！！？？」」」

3人は理解できない事実に目を白黒させ、トントンに問い詰めた

「いやいやいや、とんち！？この子見たところまだ10もいってない子供やん！こんなところに連れてきてどうすんねん！」

「大先生の言う通りやで！こんなところより、ちゃんとした施設に預けるのが普通やろ！」

2人の言い分は、確かに正しかった
しかし、彼女と出会ったのは一週間前
そこから幾度も置いていこうとしたり、せめて自分から離れるように促したりと努力したのに結局彼女が彼を諦めることはなかったのだ

少し強引に引き離そうとすれば、泣き出してしまう始末

連れて帰ればこうなることは分かっていたが、多くの仕事に追われ、疲れきっていた彼の脳ではこれ以上の判断ができなかった

「待て待て、お前ら。トントンだって出来ればここに連れてきたくはなかったハズだ
それでも、トントンがここに連れてきたということは、ちゃんとした理由があってのことだろう」

俺がどう話すべきか悩んでいたところで、グルッペンから思わぬ助け舟が出た

そこで、やっと静かになった2人を置いて、俺はいちから説明をし始めたのだった