【文スト】生まれ変わったら、また一緒に【太宰治】

高校生活十日目 ページ12

貴「たっだいまー！！」


中「お邪魔しまーす」



貴母「あらあらあらあら！！
中也君じゃないの！！

なぁに、二人共

もう付き合ったりとかしてるの？？」


貴「え、中也と？

いや、ないない」


中「ははは、手前後で覚悟しておけよ」



貴母「まぁまぁ。微笑ましいことに変わりはないわ

お母さんにもねー、そんな時代はあったのよ

お父さんったら、もう照れ屋でね
全然告白してこないから私から話しかけに行ってたのよ

そうしたら、「迷惑です」ってはっきり言われて
もう、ホンットにツンデレだったのよー



って、あれ、2人は？」



私たちはお母さんの長い恋バナを回避し、2階へ上がった


中「手前のお母さん、相変わらずだな…」

貴「あれを聞いたら、離婚が怖くなってくるんだよね」



私はベットに、中也は部屋の真ん中に腰掛けた


中「…で、今日の愚痴も
どうせまた太宰のことだろ」


貴「……うん」



中「取り敢えず、泣いてた訳を聞かせろ」

貴「は？泣いてないし」


中「泣いてただろ」


貴「泣いてない」


中「……はぁ、分かったそういうことにしておいてやる

じゃあ、あの場から逃げたのは何でだ」



嗚呼、矢っ張り聞いてくるか


貴「治の笑顔が怖かったから


私が片思いしてた頃の、他人に向ける貼り付けの笑顔

あれの下は、全然違う顔だから


私は、悲しくてその場から逃げた」



中「……」


胸が苦しくて、また涙が出てきそうだ



あの笑顔はもう向けられることは無いって思ってたのに


中「前は、俺が邪魔する間もねぇ程バカップルだった癖にな」


貴「バカップル！？そんなんじゃないよ！！

治がくっついて来るから、私もくっついてただけだよ！！」


中「それがバカップルなんだよ」


莫迦じゃないからバカップルじゃない！！
と反論するも相手にしてもらえなかった


悲しい



貴「現代の治は嫌い


意地悪ばっかり言って、女の私を傷つける



女に優しい治じゃないんだ」


中「否、それは違うだろ

女に優しくないなら彼奴の席に女の塊が出来るわけねぇ


いいか、前世でお前にとってた態度は全部
お前が特別だったからだ

前世のお前にとってた態度を他の奴にもとってたら、お前の事は本気じゃねえってことになるしな」



特別…


そっか、だからか



貴「私はきっと、治が前世の記憶を取り戻さない限り、特別にはなれないんだ」

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