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107話 過去 ページ7
どんどん季節が巡って冬が訪れて私は本格的に入院生活が始まった。
この季節が一番苦しくなる。
貴方「ｹﾎｯｹﾎｯ」
酸素マスクをつけていても息苦しい。
貴方「ｹﾎｯｹﾎｯ、ｹﾎｯ」
ガラッ……
天「A、お土産だよ」
貴方「て、天にぃ、ｹﾎｯｹﾎｯ、ありがとう」
天「発作、少しは楽になった?」
貴方「ううん、まだ」
天「そろそろ、クリスマスが来るね……今年は家族で過ごしたいね」
そう、冬になると発作が何度も起きるから学校にもまともに通えずにクリスマスも一緒に過ごしたことがない。
病院で行われる小さなクリスマスで過ごしていた。
貴方「クリスマスは皆で過ごしたい」
天「うん、そうだね……過ごせるように神様にお願いしてみようか」
貴方「うん、後ね……サンタさんにも」
天「去年はぬいぐるみだったけど今年は何お願いするの?」
貴方「うーん……とね、ブーツかな?」
天「ブーツ?」
貴方「うん、クラスの子たちが今流行ってるブーツがあるんだって!でもね、家族でクリスマスをお祝いできればプレゼントなんて要らないんだよ」
私はずっとそれを願っていた。
サンタさんも忙しいのに私たちにプレゼントを配ってくれるんだから。
家族と過ごせるならプレゼントなんていらないよ。
天にぃと陸にぃとママとパパとクリスマスが過ごせたらそれで構わないんだよ。
貴方「天にぃ、あの……お土産開けてもいい?」
天「もちろん」
貴方「わぁー、ぬいぐるみだ!ありがとう」
それを抱き締めて私は笑顔になった。
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