小悪魔の妹は皆さんから愛されているようで3 (ページ34)

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134話ページ34

貴方「紡ねぇ、準備はいい?」

レッスン室の前で私はそう言った。

紡「は、はい、でも皆さん受け入れるでしょうか?」

きっと、受け入れないだろう。

7人から3人に減らすオーディションを受けてほしいなんて……

私たちは意を決してレッスン室に入って皆にそのことを伝えた。

当然のごとく皆は驚きの声をあげた。

貴方「本当に申し訳ございません、急な変更でして、私たちの力及ばずの結果になってしまって」

陸「でも、二人だけのせいじゃないよ」

貴方「で、でも……」

皆は口々に自分は受からないといけないと言い始めた。

貴方「それでも、社長には……」

大和「それじゃ、俺は抜けるわ」

貴方「大和さん、どうして」

その時、私は一つの記憶を思い出した。

大和「俺が芸能界に入りたいのは復讐みたいなものだし」

やっぱり、それだけの理由で抜けるつもりなんだ。

そんなの、絶対にダメだ。

大和さんは驚いた顔で私を見ている。

それは、私がずっと泣いているから。

貴方「絶対に、そんなの、ダメ、です」

大和さんは困った顔をして私と目線を合わせた。

大和「そんな理由の人間を残すより、ちゃんとした理由を持った若い世代に譲ろうと思ったんだ」

涙を優しく拭ってくれて私は泣きながらも伝えた。

貴方「それで、も、オーディ、ションは、受けて、くださ、い」

三月「彼女の言う通りだ!そんな風に減っても嬉しくねぇよ!」

三月さんがそう言ったこともあり大和さんも仕方なくと言う感じでオーディションを受けてくれることになった。