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第15話 幸花6 ページ16

がちゃ



あたしはただいまも言わず、玄関に上がる。

今日はなんか疲れたなぁ……
いろいろあったし。


リビングに入ると誰もいなかった。

要は自分の部屋かな。

おばさんも帰ってないんだ……
ううっ、気まずい。


花巻さんは帰ったのかな。
それともまだ上で要とお喋りしてるのかな……


あ「要ぇ……」


要の傍にいたい。
隣にいたい。
横にいたい。

笑ってたい。



こんなに欲、持ってちゃダメかな。

全部、君のことなのに。





がちゃ




「A………?」




そんな声が扉のほうから聞こえた。





それは愛しい声。



たった1日離れてただけなのに。

あの、憎たらしい顔が。
自慢気に喋る顔が。

笑ってた顔が。




今度は泣きそうな顔でここにいた。




あ「要っ!!」


ぎゅっ




要「悪かった。心配させて」


あ「ばか…………」


要「そうだな」


あたしを抱き返す君が、
こんなにもあたしは好きだったなんて。




気づいてたはずなのに、気づいてなかった。



そんなあたしにバカと心の中で言ってみる。







あ「ごめんね、仲直り」


要「あぁ、仲直りだ」



そう言って笑いあった。



要「俺は、Aだけが好きなんだ。
あいつは違う。

言葉は悪いがあれはクズだ。
俺の中でな」


あ「言葉が悪いのはいつもです」

要「るっせ」

あ「でも、ありがと……」

要「はいはい、それじゃちょっと待っててくれるか?」

あ「……うん、いいよ」



要はあたしから離れ、外に行った。

そして、要の大声が隣から聞こえてきた。



数分すると、要は満足げな顔をして帰ってきた。


要「恐ろしい言葉を投げかけてきた」


あ「ご苦労様」


苦笑いすると、要の口元が緩んだ。







あたしからしたら、君は大きな存在で。





あたし達に太陽が必要なように、
あたしも君が必要で。




あたし達に空気が欠かせないように、
あたしも君が欠かせなくて。







ように、君が好きってこと。







何年変わっても、きっとこれは変わらないから。



君に宛てるこの気持ちには書かないよ。





風に吹かれる花が満足げに揺れるように。




あたしの周りにも幸せな花が咲き誇っていた。







君に幸花を添えて、この、気持ちを。









_________贈ります。

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ma-na - 本編も番外編も面白かったです。毎回ドキドキしました。 (2014年2月9日 20時) (レス) id: 73fbd87a5d (このIDを非表示/違反報告)
夏恋(プロフ) - tsukki-さん» ありがとうございます!!かっこいくみえました?なら良かったですw要さんまた書きたいなぁ…と思いますw (2014年1月6日 23時) (レス) id: 425e87e5cc (このIDを非表示/違反報告)
tsukki-(プロフ) - 初めまして!すごいほのぼのしててよかったです!要、かっこいく見えました笑 (2014年1月6日 18時) (レス) id: 0da93e5b47 (このIDを非表示/違反報告)
夏恋(プロフ) - ありがとうございます! (2013年4月6日 18時) (レス) id: 425e87e5cc (このIDを非表示/違反報告)
ユミリン(プロフ) - 夏恋さん» いえいえ! 頑張ってください!応援してます♪ (2013年4月6日 18時) (レス) id: 5ea06cecf6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏恋 | 作成日時:2013年3月26日 19時

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