中性的だと損しかしないんだけど2【刀剣乱舞】

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『ってぇ...』


新しく包帯を巻かれた傷を擦りつつ三日月様のいる縁側に向かう。なかなかに酷い傷のせいで手入れが全くできていなかった。


「おぉ主。もう傷とやらは大丈夫なのか？」


『はい。薬研様に手当てしてもらいましたよ』


「ふむ手当て...。だいぶ叫び声がこちらまで響いていたけれど本当はまだ痛いのではないか？」


『あぁあれは塗り薬の成分が少々刺激の強いものだっただけあって傷口自体には何も問題はありませんでした』


めちゃめちゃ痛いだけの耐久戦のようなもんだったけどな。今度からは絶対逃げてやる。...が薬研様の素早さには劣るんだよなぁ。どうやってしのぐべきなのか。
　

「ならよかった」


『次は三日月様の方ですよ。せっかくの美しい着物なのに血に染まっていては美しさが欠けてしまう。それに白い肌に赤は映えるけれど血では映えません』


痛々しい傷の数々に目を向ければどれだけ三日月様が無茶をして戦ったなど一目瞭然だった。


「...あいわかった、そこまで言うのなら手入れしてもらおう。霊力が足りないのなら無理せず休むこと」


『承知のうえです』


眠ったおかげで霊力も体力も回復した。傷も少しは治ってきているし一振りくらい手入れしても問題ないだろう。
　

まぁ体力はある方だし？


俺は三日月様の本体にそっと触れると霊力を流し込んだ。まばゆい光と共に新品同様の美しさを取り戻す本体。


それと比例するように三日月様の傷も治り、光が収まった頃には顕現したときと同じ三日月様に戻っていた。


『完了です。まだ痛む箇所などはありますか？』


「しっかり手入れされているから平気だろう。礼を言うぞ主」

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