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張っていた結界を一気に解けばあの敵が素早く攻撃を仕掛けてくる。間一髪でかわしたけれど山姥切様は大丈夫なのか。


ふと心配になって彼を見ればまるで冷静だった。心配する必要は全くないという。


「っ...、重いな」


いやそれな。


思ってる10倍くらいは攻撃が重い。こんなのいくら鍛練してたってそんな重い攻撃から体勢を仕切り直す、なんてことしねぇからな?かといってその場で適当に刀を振るうだけじゃ攻撃は入らないしこちらがやられるしで...。


要はいつも以上に斬り合いに集中しながら頭を使わなきゃいけない。いつぞやの天才的な剣士でもなければ武士でもないただ、霊力があるだけの俺にはやはり限界があるわけで。まぁそれがこの結果なんだよな。


それに比べて山姥切様は俺よりも身軽に敵の刃を交わしながらも確実に攻撃を入れている。絶対カンストしてるだろ...!


並の体力ではないうえに恐ろしいほどの集中力と圧倒的な刀の振るい方。いや元は刀剣だからそれくらいは普通なのか?


「あんたは何でそんなところにいるんだ!もっと下がれ!」


『はっ!?あ、了解しました!!』


あの凄まじい形相で睨まれた俺は恐怖を感じながら更に彼の後ろに下がる。なるべく早く回復ができるように辺りに霊力を撒き散らす。もし山姥切様に傷が入っても空気と共に漂っている霊力に触れてすぐに治るはず。


『...っ!?』


ぐわんと歪む視界。既に霊力は底尽きているはずなのにムリに使おうとしたせいだと瞬時に察知する。いくら足りないと体が悲鳴をあげようとも俺にはこれしかできることはない!!


だけどこれはいつも以上に使いすぎた。目が回るし吐き気が酷い。頭痛もすごいし少し気を抜いただけで意識が吹っ飛ばされそうだ。


「主っ!!俺だ主。少し頑張りすぎたようだな。このままでは霊力は回復せずに死んでしまう。そんなことはしないでくれ、主にはまだやってもらわなければいけないことがたくさんあるので。それまではしばし、眠るがよい」


ふっと隠される視界と三日月様の声。


彼が来たからもう安心だと思うと一気に体の力が抜けた。

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ララーサ - なまずさん分かります。見ていてつい笑ってしまいます(笑)頑張ってください。 (2021年1月4日 16時) (レス) id: 60e0ce23dd (このIDを非表示/違反報告)
なまず - なんか、主のつっこみが好きですw(更新頑張ってください (2020年3月15日 23時) (レス) id: bd44181088 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - ゆりぃさん» ありがとうございます!私の趣味の性格を詰め込んだ男主ですが良いと言ってもらえて嬉しいです笑 (2019年12月21日 23時) (レス) id: 5f520ce7f7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりぃ - 読んでいて、神様を大切に(敬っている)している男主さんがいいと思いました!凄くいい作品だな、と私は思います!(笑)これからも更新頑張って下さい!!応援してます!!! (2019年12月20日 20時) (レス) id: 1568344429 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 夜月さん» 冒頭は加州様でした。わざわざ誤字の指摘をしてくださってありがとうございます!これからも頑張らせていただきます! (2019年10月7日 23時) (レス) id: db368979ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まかろん | 作成日時:2019年10月7日 17時

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